漫画のまとめ記事

絶対面白いミステリー漫画 !おすすめの 謎解きが快感なマンガのご紹介【2024年版】

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■34作品を掲載!(2023年6月11日 更新)

皆さんミステリー物はお好きですか?テレビのドラマや映画などミステリーを題材にした作品はたくさんあり、コンテンツとしては小説が多いかと思います。

小説が元で漫画化・ドラマ化・映画化している作品も多く、映画が面白かったから小説を読んでみようといった経験はあるのではないでしょうか。

ミステリー漫画は作品数が多くて全てのおすすめのミステリー漫画を紹介するのは難しいですが、ミステリー重視のサスペンス要素のある漫画を厳選してみました。

本日はミステリー漫画の中でもユレオが面白かったと思った漫画をご紹介をしたいと思います。

【目次】

はじめに

当ブログでは漫画作品への感想を以下のようなレーダーチャートで表現しております。

レーダーチャートについての説明

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あくまで個人的な視点での感想ですが、ご参考にいただければと思います。10段階評価の平均を5としております。

レーダーチャートは2種類あり、共通の漫画レーダーチャートとミステリー漫画ジャンルのレーダーチャートと分けております。

単純に漫画の感想を知るには「共通漫画レーダーチャート」をご参考ください。

おすすめ漫画ランキング291作!感想/レビュー付きで絶対面白いマンガが見つかる【2024年版】 ■291作品を掲載!(2023年11月18日更新) 当ブログではこれまで様々な漫画の感想を書いてきましたが、その際にジャン...

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厳選!謎解きが魅力の何度も読みたくなるミステリー漫画(全34作品)

十角館の殺人 /原作.綾辻行人 漫画.清原紘

タイトル:十角館の殺人
作者  :原作.綾辻行人 漫画.清原紘
連載期間:2019年~2022年
巻数  :全5巻

1987年に発表されたミステリ小説が原作のコミカライズ作品で、著名な建築家が建てた十角形の館が建つ孤島を舞台に起こる連続殺人事件の謎を追う本格ミステリーサスペンス漫画です。
大学の推理小説研究会に所属する男女7人は建築家「中村青司」が設計して孤島に建つ十角形の奇妙な館を訪問します。
この館を設計した中村青司は半年前に自宅が火災に逢ったことで謎の焼死を遂げており、その火事の焼け跡からは中村青司とその妻、使用人夫婦の計4名の焼死体が発見されました。
当初、この火災は単なる事故と思われましたが、4人それぞれの死因が一様ではなく殺人事件として扱われて、容疑者は挙がるも行方をくらませたままであったことから未解決事件となっていました。
推理小説研究会に所属する男女7人はミステリ作品を敬愛しており、それぞれのメンバーを欧米のミステリ作家の名前で呼び合う仲で、建築家「中村青司」らが死亡した”孤島の連続殺人”の現場を見る為に合宿で現場傍に建てられた十角館を訪れます。
7人はそれぞれ合宿を楽しんでいましたが、2日目朝十角館のリビングに、これから孤島で連続殺人事件が起こることを彷彿させるプレートが置かれており、凄惨な殺人劇が幕を開けることになります。

この漫画はミステリー界に大きな影響を与えて本格ブームを巻き起こした綾辻行人のデビュー作品である「十角館の殺人」をコミカライズした作品となっています。
「十角館の殺人」が発表されたのが1987年であるため、30年以上経過してのコミカライズとなっていることから、様々な点で設定が現代風に置き換わって入る為、漫画は原作ファンからは賛否両論となっています。
絵は非常に上手くてそれぞれの人物が美麗に描かれており、漫画を担当する清原紘の画力が評価されている作品ですが、登場人物が美男美女で描かれている点が原作ファンからはイメージと異なるとのことでツッコミを受けているようです。
物語の冒頭から登場人物が多くて、またそれぞれを欧米のミステリ作家の名前で呼び合う為、頭の中で相関図を用意しないと整理しきれない中で、さらに十角館に訪れなかった別の人物が未解決事件の真相を追うために動くなど、冒頭から情報量が過多の展開をみせます。
ですが、ストーリーが進むに連れて引き込まれる面白があり、現在の本格ミステリ小説のブームとなった源流作品のコミカライズなので、ミステリものが好きな方には是非読んで欲しい漫画と言えます。

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サマータイムレンダ /田中靖規

タイトル:サマータイムレンダ
作者  :田中靖規
連載期間:2017年~2021年
巻数  :全13巻

和歌山県の離島を舞台とした物語で、幼なじみの死から島に伝わる「影」の伝承の謎を追うループもののSFミステリーサスペンス漫画です。
主人公で料理人を目指している網代慎平(あじろ しんぺい)は、故郷の和歌山県から離れて東京の調理師専門学校に通う学生ですが、7月21日に幼馴染で小舟潮(こふね うしお)が海難事故で命を落とした事を知ります。
慎平は翌日の7月22日、潮の葬儀の為に2年ぶりに故郷に戻ったのですが、潮の遺体には首が絞められた跡があるなど不可解な点があり、他殺の可能性がありました。
しかし、警察は状況から事件性は無いと判断して事故として扱います。
その後、7月23日に島民が消える事件があり「影を見た者をは死ぬ、影に殺される」という島に伝わる「影の病」の伝承を耳にします。
この話を聞いた潮の妹である小舟澪(こふね みお)は潮が海難事故に遭う3日前の7月18日に「影」を見たことを話し、その後、慎平と澪は「影」に殺されます。
しかし、不可解なことに殺された慎平は「影」に殺されたことで7月22日に意識が戻り、「影」に殺されるたびに7月22日にループを繰り返すことになります。

この漫画は作者の故郷である和歌山県にある離島「友が島」を参考にした内容で、物語の舞台には「友が島」特有の建造物が登場します。
物語の中では「影を見た者をは死ぬ、影に殺される」という「影」の伝承が登場しますが、影に殺されると、殺された人物と「影」と入れ替わる為、「影」と本物の人物との区別はつきません。
慎平は「影」を目の当たりにしたことで「影」殺されますが、死ぬたびに島に戻ってきた7月22日に戻ることを繰り返します。
慎平は「影」に殺される7月22日に戻るループを繰り返すことで対策を講じ、「影」の存在をスマートフォンで撮影して、澪と信頼できる友人にその映像を見せて、潮は「影」に殺されたと考えていることを打ち明けます。
慎平は「影」の存在を信じた二人と協力しながら「影」の存在の謎と潮の死の真相を追うことになります。

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氷菓 /原作.米澤穂信 漫画.タスクオーナ

タイトル:氷菓
作者  :原作.米澤穂信 漫画.タスクオーナ作画
連載期間:2012年~
巻数  :既刊13巻(2022年1月)

高校の部活である「古典部」を中心とした日常に起こる些細な出来事を題材に、謎を解き明かす連作短編形式の小説が原作の青春ミステリー漫画です。
主人公で高校1年生の折木奉太郎は、何事にも積極的に関わろうとしない「省エネ主義」を信条としており、部活動が盛んな神山高校でも部活に入部せずに過ごす予定でしたが、古典部OGの姉からの古典部の存続の為に入部を勧められ、特にやりたいこともないことから入部することを決めます。
同じく一年生の千反田えるは、古典部に「一身上の都合」で入部した為、部の存続が保たれたわけですが、その際に部室に閉じ込められる出来事が起きて、奉太郎がその謎を解き明かします。
奉太郎の思考やひらめきに感服した千反田は、奉太郎に「一身上の都合」で古典部に入部した理由と、古典部の文集「氷菓」に秘められた33年前の真実を伝え、「氷菓」の謎を解くために奔走することになります。

この漫画はKADOKAWAの学園小説で賞を受賞した「〈古典部〉シリーズ」を原作としたミステリー漫画で、2012年にテレビアニメ化して、2017年には実写映画化されるなど、話題のコミカライズ作品です。
小説が原作のコミカライズ作品ではありますが、アニメ化のタイミングで連載が開始された漫画作品なので、多くの点でアニメーション準拠のデザインとなっています。
ただ、内容を読むと「アニメを漫画にした」作品ではなく、「原作小説を漫画にした」作品であるため、アニメを見た方が漫画を読んだとしても楽しめる内容となっており、文字に起こされていることで、より物語がわかりやすくなっています。
学園の中での日常の出来事の謎を解くミステリー漫画であるため、殺人事件や壮大な陰謀を解くようなストーリーの派手さはありませんが、しっかりと練られたストーリーと、謎解きの講釈が面白く、時間を忘れて夢中で読めるおすすめのミステリー漫画と言えます。

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小説版はこちらです。

東京卍リベンジャーズ /和久井健

タイトル:東京卍リベンジャーズ
作者  :和久井健
連載期間:2017年~
巻数  :既刊30巻(2022年12月現在)

タイムリープの能力に目覚めた青年が中学生時代の彼女の死を回避する為に、過去と現在を行き来するSF要素であるタイムリープとミステリー・サスペンスが加わったこれまでに無かったヤンキー漫画です。
主人公の花垣武道はフリーターで生計を立てる26歳の冴えない青年ですが、かつては不良に憧れて腕っぷし一つで成り上がることを夢見ていました。
そんなある日、中学時代の彼女だった橘日向と弟の橘直人が「暴走族東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれて死亡したニュースを目にします。
武道の中学生時代は彼女がいて気の合う仲間と夢を語りながら青春を送る人生の絶頂期でしたが、「暴走族東京卍會(東卍)」と関りを持つことで転落して、彼女と仲間を置いて逃げ出した負い目とトラウマを抱えていました。
武道はバイト帰りに駅のホームで電車を待っていたところ、何者かに線路に突き落とされて死を覚悟した瞬間に、人生の絶頂期であった12年前の2005年7月4日に戻っていました。
そこで12年後の2017年に死ぬことになる橘日向と弟である橘直人と出会い、橘直人に12年後に二人は死ぬ運命である事を伝えたところ、武道は列車に轢かれる死ぬ運命を回避した2017年に戻り、同時に「暴走族東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれて事故死する運命を回避した直人と再会します。
直人は2005年にタイムリープした武道と出会った事で「暴走族東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれる死の運命から回避出来ましたが、日向は抗争に巻き込まれて死亡しており、武道は直人と協力して日向を死の運命から回避させるために、元凶となる2005年に再びタイムリープして自身の過去と運命の改編に奔走します。

この漫画はヤンキー漫画にSF要素である「タイムリープ」を取り込んだ作品で、これまでに無かった新しい面白さがあります。
また、タイムリープをして過去である2005年に改変を行った結果、現在である2017年に変化が起こり、2017年で変化した状況から新たな情報を知ることで、再び2005年に戻って運命を変えようとする”タイムリープを繰り返す事で事件の真相が次第に明らかになるというミステリー・サスペンス”の様相も見せる壮大な物語となっています。
不良の世界を題材にしたヤンキー漫画は私はこれまで余り好んで読んでこなかったこともあり、この作品を知ったのは最近なのですが、この漫画はヤンキー漫画の衣を纏ったタイムリープを題材とした「SF×ミステリー・サスペンス」作品と言え、SFやタイムトラベルものがが好きな方には大変おすすめの作品と言えます。
この漫画はアニメ化や実写映画化もされている人気作品で、展開がスピーディーでありながら伏線を綺麗に回収しており、また、元凶となる暴走族チームで活躍して成り上がる姿も描かれている、ヤンキー漫画として読んでも大変面白い作品です。

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アニメ版はこちらです。

Another(アナザー) /原作.綾辻行人 漫画.清原紘

タイトル:Another(アナザー)
作者  :原作.綾辻行人 漫画.清原紘
連載期間:2010年~2011年
巻数  :全4巻

26年前に事故で死んだ生徒を卒業まで”いるもの”として扱った結果、その後の3年3組では一人の生徒を”いないもの”として扱い続けなくなった呪いをめぐるミステリ・サスペンス漫画です。
主人公の榊原 恒一は東京に住んでいましたが父親が海外へ仕事の関係で赴任することになったことや、持病の療養の為に亡き母の故郷で祖父母と生活を送ることになりました。
恒一は転校初日に自然気胸が再発したことで登校できず、そのまま1ヶ月ほど入院することになります。
その後の回復は順調で、新しいクラスの代表が病院に見舞いで訪れるのですが、当たり障りのない会話の最後に「不思議な質問」を受けることになります。
そして退院後に学校に通うにあたり、3年3組の副担任で叔母でもある三神 怜子から3年3組に存在する3つの取り決めの説明を受けて、その一つに『クラスの決めごとは絶対にまもるように』というものがあり、登校初日にクラスメイト全員が何かに怯えているような違和感を覚えます。
そしてクラスメイトの一人で不思議な存在感を放つ見崎 鳴が、恒一以外からまるで見えておらず3年3組に存在していない”いないもの”として振舞われていることに疑問を持ちます。
恒一はクラス全員が何かに怯えている事や、鳴を見えていないように振舞うクラスメイトの違和感に対する疑問を解決するために彼女に話しかけたところ、鳴から3年3組は死に近いところにあり”もう始まってるかもしれない”との警告を受けることになります。

この漫画はミステリー界に大きな影響を与えた作家の綾辻 行人の代表作の一つである「Another」をコミカライズした作品です。
「Another」はホラーとミステリー・サスペンスを融合させた独特の雰囲気が特徴的で、本作を原作として漫画作品だけではなく、アニメ化や実写映画化もされており、ミステリ小説が原作としては非常に有名な作品です。
漫画版は原作である小説版に比べると、登場人物の生死や犠牲者の死因などが改変されており、登場人物に関連する小ネタが随所に盛り込まれています。
また、漫画での読者層を意識したことで「学園青春もの」として強く意識されており、学園生活や主要人物の人間関係を示す描写が細かく描かれています。
この漫画は一度読み終えてオチを知った後にもう一度読み返したくなる作品で、読み返すことで気が付く様々な伏線があり、それを確認しながら読み進めるという意味で「2度楽しめる」ミステリ・サスペンス作品と言えます。

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小説版、映画版、アニメ版はこちらです。

七曜人格症候群 /七清水くらげ

タイトル:七曜人格症候群
作者  :七清水くらげ
連載期間:2021年~
巻数  :既刊2巻(2022年9月)

『七曜人格症候群』という曜日ごとに人格が入れ替わる珍しい病気を患っている主人公の「木曜日」が人格が、他の曜日の人格と周囲の人を巻き込みながらオリジナルの人格の秘密を暴いていく「ミステリー×サスペンス」漫画です。
主人公で30歳の中年男性である青木恥太(あおきそうた)は、ある朝見知らぬ自宅の2階の部屋で目を覚まし、そして見覚えが全くない少女の姿に変わっていました。
昨晩聡太はバイトが終わって友人と居酒屋で飲んでいましたが、その後の帰り道で記憶がとぎれてお、気が付けば見たこともない街の一軒家の2階で目覚めて性別が変わっていたことから、状況が理解できず混乱していたところ、1階のリビングでくつろいでいた女性からは「あなたの母親」であることを告げられます。
恥太は母親と名乗る女性に連れられて精神科医を受診し、医師からは曜日ごとに人格が入れ替わる病気『七曜人格症候群』である説明を受けて、聡太は木曜日の人格であり、今日が”青木恥太の誕生日”であることを告げられます。
医師の説明では、恥太は木曜日にだけ目覚める人格で、多重人格者における「オリジナル」の存在ではなく、恥太自身が持っている30年の記憶は偽物ということでした。
しかし恥太にはゆるぎない30年間を生きた記憶があることから、医師からの説明を受け入れられず、自分の住んでいた街や生まれ故郷を訪ねて、真実が何なのかを明らかにしようとします。

この漫画は1週間の7日間で曜日ごとに人格が変わる7人の人格を持った主人公と、その中の木曜日の人格が、自身の秘密を明らかにしていくミステリーサスペンス漫画です。
設定が複雑であることことから、物語冒頭では解説が続きますが、読者の予想を良い意味で裏切る物語展開で、読み進めるにつれて少しずつ明らかになる他の曜日の人格や、他の曜日の人格と交流をもつ人々のつながりがわかってきて、各曜日がどんな性格で普段何をしているのかという真実が明らかになっていきます。
何が真実で、何が嘘なのか、それとも疑っている主人公の人格自体がそもそも偽りの存在なのか?少女のオリジナルの人格は何曜日なのか…?
様々な謎が少しずつ寄り集まり、オリジナルの人格は何曜日で、なぜ7つの人格を有する状態になったのか言う謎が明らかになる様は、ミステリーサスペンスの犯人を特定するような面白さがあります。
設定が少々複雑ですが、謎が謎を呼び、そして少しずつ真実がつながっていくことから、非常に新鮮で斬新な物語展開となっており、珍しいミステリーサスペンスものの作品を探している方にはお勧めの漫画です。

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リバイアサン /黒井白

タイトル:リバイアサン
作者  :黒井白
連載期間:2022年~2023年
巻数  :全3巻

星間船が行き来する遠い未来を舞台とした物語で、植民星から地球に向かう途中で消息を絶ち宇宙を彷徨っていた廃旅客船での出来事を、「現代」と「過去」と行き来しながら謎を追うSFミステリー・サスペンス漫画です。
盗掘屋が廃船や投棄された宇宙船を見つけ、その中でお宝を探すと、宇宙に漂う年代物の巨大な廃旅客船に出くわします。
この船はプロキシマ植民星から中期に向かう途中で消息を絶った旅客船『リバイアサン号』で、これまで発見されていませんでした。
盗掘屋たちは船に侵入し、船内を捜索し始めます。その中で彼らは一冊の手帳を見つけます。
手帳の持ち主は少年・イチノセで、手帳には船内で起きた衝撃的な事実が日誌として記されていました。
日誌によると、事故により船内の酸素が50時間しか残っていない状況になり、1台のコールドスリープマシンを巡り、乗客たちが殺し合いを始めたことが書かれていました。
盗掘屋はその日誌を読み進めながら、コールドスリープマシンに生き残った一人の人間を救出するために廃旅客船『リバイアサン号』の深部へと進みます。

この漫画は星間宇宙船というSF世界を舞台にした物語で、現代の盗掘屋が『リバイアサン号』を調査・採掘する現代と、事故により凄惨な状況となった過去の出来事を1冊の手帳の記録を追いながら話が進行するミステリー・サスペンス漫画となっています。
船体の事故により酸素供給が停止したことから、生き残りを懸けて1台のコールドスリープマシンを巡りで殺し合いが始まり、船内には当時の凄惨な状況が痕跡として残っています。
「現代」と「過去」を行き来しながら、手帳に記された日誌の内容とその痕跡を辿る構成で進行し、淡々と描かれていることから、穏やかに物語が進行します。
続きが非常に気になる作品で、物語の顛末について盛り上がっていく構成は非常に上手く、全3巻と短い物語なので、週末の一気読みにおすすめの作品と言えます。

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シャドーハウス /ソウマトウ

タイトル:シャドーハウス
作者  :ソウマトウ
連載期間:2018年~
巻数  :既刊11巻(2022年7月現在)

人の姿をしているが真っ黒なシルエットで影のような顔が無い一族「シャドー」が、人間の姿をした「生き人形」を従えて貴族の真似事をする「ファンタジー×ミステリー・サスペンス」漫画です。
主人公の一人ケイトは人の姿をしているが全身が真っ黒なシルエット状の姿の貴族の真似事をする顔のない一族「シャドー」の一員で、生まれたばかりである為「お披露目」と呼ばれる成人への儀式を「シャドーハウス」の一室で待ちながら過ごしています。
もう一人の主人公のエミリコはそんなケイトのお付きとして働く顔が無い一族「シャドー」に仕える「生き人形」で、主人であるシャドーの身の回りの世話をするほかに、主人の代わりに「顔」として感情表現も行う役割を担っていました。
ケイトはエミリコと生活を送る中で「生き人形」はシャドー家の領地に点在する複数の村から集められた人間であることに気が付き、自身の存在やシャドーハウスに疑問を持つようになります。
ケイトは一族の秘密を調べている中で、シャドーハウスへの貢献により高い地位に進むと、生き人形にシャドーの人格を上書きする事を知り、盲目的にシャドー家に忠誠を誓う子供のシャドーと付き人の生き人形を開放する為に、エミリコにシャドーハウスの真実を伝えて共にシャドー家に対して抵抗することを決意します。

この漫画は基本的な世界観はファンタジーですが、物語は真っ黒なシルエットで影のような存在の顔が無い一族「シャドー」の不思議な存在の謎が明らかになっていく過程を楽しむミステリー・サスペンスの要素が強い作品です。
シャドーは何が目的で貴族の真似事をして領主として人間を支配しているのかが、シャドーハウスとその支配階級の存在など、様々な謎が次第に明らかになっていきます。
シャドーの存在が非常に独特でオリジナル性が高く、世界観や設定がよく練られた作品で、これまでに無かった新しい表現や面白さがあり、一つの謎が明らかになるとまた新たな謎が生まれてそれを解き明かしていく展開や、「シャドー」と「生き人形」の関係など丁重に伏線を回収する物語展開を見せるなど、ミステリー・サスペンスものが好きな方にはおすすめの作品と言えます。
雰囲気はティム・バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」を彷彿させ、観たことがない新たな世界観や雰囲気が楽しめる作品でもあるので、珍しくて新しい発見がある漫画を探している方は是非読んでみてください。

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薬屋のひとりごと /原作.日向夏 漫画.ねこクラゲ

タイトル:薬屋のひとりごと
作者  :原作.日向夏 漫画.ねこクラゲ
連載期間:2017年~
巻数  :既刊11巻(2023年4月現在)

春秋戦国時代の中国を彷彿させる世界を舞台とした、後宮に勤める女官が王宮内で起きる事件を解き明かす歴史ファンタジー・ミステリー漫画です。
主人公で薬屋として働く少女 猫猫(マオマオ)は医師である養父と花街で働いていましたが、薬草採取で外出した際に人さらいに遭い、後宮務めの下級女官として売り飛ばされてしまいます。
後宮務めは年季が開ければ開放される為、猫猫は年季が明けるまで後宮に勤めるつもりでしたが、王宮で起きた皇子の衰弱死の事件で死因が毒であることに気が付き、それを匿名で訴えたところ後宮の管理を担当する宦官の目に留まることになります。
猫猫は下級女官の中で読み書きが出来ることや、薬師としての知識や鋭い観察眼を持っており、玉妃付きの侍女に抜擢されて後宮で起こる様々な出来事や事件に巻き込まれることになります。

この漫画は古代中国の春秋戦国時代を彷彿させる世界観ですが、しっかりとした時代には触れておらず、また国や地域も明言していないので、「歴史漫画」として見るとかなり不自然な設定が散見されます。
私は当初「歴史漫画」として読んでいたのですが、所々で不自然な描写があったため、途中から「ファンタジー漫画」として読むようにしたところ、スッと腹落ちする内容で理解が高まりました。
ファンタジー漫画といえば「西洋」をテーマにした作品が多いですが、この漫画は「東洋」をテーマにしており、舞台が王宮という新しいタイプのファンタジー作品と言えます。
物語のメインのテーマは「事件や謎を解き明かすミステリー作品」と言え、後宮で起こる様々な出来事や事件の謎を明かしていくのですが、奥深い謎解きではなく、ミステリー好きの方には少し物足りない内容かもしれません。
ですが、テンポよく展開するストーリーや個性あるキャラクターが大変魅力的で満足度が高く、「次にくるマンガ大賞 2019」の1位に選ばれています。

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北北西に曇と往け /入江 亜季

タイトル:北北西に曇と往け
作者  :入江 亜季
連載期間:2017年~
巻数  :既刊6巻(2022年12月現在)

アイスランドを舞台とした機械と会話が出来る不思議な力を持つ青年が探偵業を営むミステリー青春漫画です。
主人公の御山慧(みやま・けい)は白人の血が混じる日本人離れしたルックスを持つ17歳の青年で、フランス人で祖父のジャックとアイスランドで生活しながら探偵業を営んでいます。
慧は家族にも秘密にしている「自動車や電化製品などと会話が出来る」能力を持っており、愛車であるジムニーを走らせながら探偵の依頼を受けて生活費を稼いでいます。
探偵業の依頼内容は様々で、人探しや飼い犬を連れ戻すというものなど派手なものはありませんが、しっかりとした観察眼と地道な調査で事の真相を追っていきます。
慧は若く不安定で危なっかしいところもありますが、祖父のジャックと生活をしながら、北緯64度のアイスランドという自然があふれた土地で、気ままに暮らしながら大人へと成長をしていきます。

この漫画は小説のように楽しむことが出来る漫画家「入江亜季」の作品で、まるで海外ドラマを見ているような感覚になる珍しい作品です。
舞台が北極圏に近い北欧の小さな島国であるアイスランドで、日本人には馴染みのない遠い国ですが、日本と同じように火山立国で、火山や温泉といった共通点もあります。
アイスランドの特徴や風土といったものがかなり詳細に描かれており、読んでいるとアイスランドに興味が湧いてくる不思議な魅力がある漫画です。
ミステリー漫画としても面白く、探偵業を中心とした大筋の物語がある中で、消息を断った弟や叔父叔母の死など真相を明かす展開があり、慧を取り巻く人間関係や少年から大人になろうとしている17歳という微妙な年齢での成長が描かれています。
先ほども触れましたが小説や海外ドラマを見ている感覚になる作品で、評価が分かれるところですが、何度も読み返すことで気が付く点が見つかるなど新しい感覚を持つ漫画なので、興味がある方は是非読んでみてください。

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SPY×FAMILY(スパイファミリー)  /遠藤達哉

タイトル:SPY×FAMILY(スパイファミリー)
作者  :遠藤達哉
連載期間:2019年~
巻数  :既刊6巻(2021年1月現在)

の国を舞台としたスパイを生業とする男が、殺し屋の女性と超能力者の少女の3人で家族を装い、諜報活動を行うコメディ×サスペンス×アクション漫画です。
主人公のロイド・フォージャーは、任務ごとに様々な顔と名前を使い分けるコードネーム”黄昏(たそがれ)”の名を持つ凄腕のスパイで、オスタニアで諜報活動を行っています。
ロイドは、ターゲットであるオスタニアの政治家ドノバン・デズモンドと接触するために、偽装家族を作り、子供をデズモンドの息子が通う学校に入学させる任務を受けます。
ロイドは学校に入学させるための子供を孤児院で探すために訪れたところ、少女アーニャと出会い、また、母親役として公務員のヨル・ブライアと出会うことになります。
しかし、3人はそれぞれ裏の顔を持ち、子役のアーニャには人の心を読める超能力を持ち、母親役であるヨルは「いばら姫」のコードネーム持つ殺し屋でした。
ロイド、アーニャ、ヨルはそれぞれの利害が一致し、互いに素性や秘密を隠して、良き家族を演じながら偽りの生活を送ることになります。

この漫画は偽りの家族を描いた作品で、お互いがそれぞれ人には言えない秘密を持っており、自身の秘密を隠しながら家族を演じる物語となっています。
スパイとしての諜報活動の為とは言え、ターゲットに近づくために家族を作るという強引なストーリー設定が根幹にありますが、コメディ色の強い作品である為、それほど違和感なく読むことが出来ます。
互いの素性を隠しつつ、幸せな家族を演じますが、子役であるアーニャは人の心を読める超能力を持っているため、父役のロイドが”スパイ”で、母役のヨルは”殺し屋”であることを知っています。
しかし、このことをロイドやヨルに話すとアーニャ自身が”心が読める超能力者”であることがバレる為、アーニャはそれぞれの秘密を話さず、ロイドのスパイ活動を手伝います。
キャラクターが個性的に描かれ、様々な描き分けがされている作品で、メインストーリーはシリアスな展開ですが、物語も分かりやすくてコメディの要素が強く、またテンポよく楽しめる作品で、今後の展開が楽しみです。

ブラックナイトパレード /中村光

タイトル:ブラックナイトパレード
作者  :中村光
連載期間:2016年~
巻数  :既刊8巻(2023年2月現在)

何の取柄もなく就職活動に失敗してコンビニで3年間アルバイトしていた青年が高待遇で不思議で謎に満ちたサンタクロース企業に就職する「ミステリー×ファンタジー」漫画です。
主人公の日野三春(ひの みはる)は大学受験に失敗して、就職活動をするも上手くいかず、就職氷河期の煽りを受けて3年間コンビニでアルバイトを続けていました。
三春は困っている人を見捨てることが出来ない善良な性格の持ち主ですが、クリスマスの日にコンビニで働くトラブルメーカーの後輩のとばっちりを受けて、店長に理不尽な形で怒られた苛立ちから、廃棄予定のクリスマスケーキを万引きして自宅に持ち帰ります。
自宅前に着いたところ見慣れぬホルモン屋台があり、黒いサンタクロース姿をした屋台の店主に酒を飲みながら就職出来ない愚痴を漏らしていると、店主からは「クリスマスには赤いサンタと黒いサンタがやってきて、悪いことをした子供は黒いサンタに袋に詰めて攫われる」という話をされて、三春はサンタの袋に捕食されて気を失います。
見知らぬ部屋で目を覚まして混乱する三春の前に姿を現した黒いサンタクロース姿の男は、「手取りで30万、昇給ありの正社員」の高待遇で奇妙なサンタクロース企業に三春をスカウトします。

この漫画はサンタクロースをテーマにしたファンタジー漫画ですが、主人公である三春の生い立ちや、幼いころに交通事故で亡くなった父の存在等、様々な謎が少しずつ明らかになっていくミステリー漫画でもあります。
ただ、作者は「聖☆おにいさん」や「荒川アンダー ザ ブリッジ」の作者である”中村光”であることから物語の主軸はコメディ漫画となっており、不思議で奇妙な世界観はティム・バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」を彷彿させます。
物語が進む中で主人公を取り巻く様々な謎が明らかになっていく展開で、伏線を徐々に回収し、そして新たな不可思議な謎が生まれる展開は読み応えがあり、読み進めるにつれて面白さが増す「中村光ワールド」の神髄とも言えます。
漫画の魅力を文章で伝えにくい作品ですが、これまでに無いストーリー展開が続く作品なので、変わった漫画が読みたいという漫画好きの方にはおすすめです。

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冷たい校舎の時は止まる /原作.辻村深月 漫画.新川直司

タイトル:冷たい校舎の時は止まる
作者  :原作.辻村深月 漫画.新川直司
連載期間:2008年~2009年
巻数  :全4巻

大学受験を控えた高校3年生の男女8人がある日学校に登校したところ、無人の校舎に閉じ込められるミステリー・サスペンス青春漫画です。
主人公の鷹野博嗣(たかの ひろし)は進学校である青南学院高校に通い、かつて陸上部に所属して運動もできて成績が優秀な特待生で、志望大学に向けて勉学に励んでいました。
ある日、冬の雪が降りしきる登校日で学校に向かったところ、普段仲の良い8人の生徒しか登校しておらず、帰宅しようとするも不思議な力で学校に閉じ込めらることになります。
この高校では秋の学園祭で生徒が校舎から飛び降りて自殺をしたことで生徒たちは心に傷を負うことになったのですが、閉じ込められた8人は学校中の時計が学園祭で生徒が飛び降り自殺をした17時53分を差していることに気が付き、同時に自殺したクラスメイトの名前を8人とも思い出せないことに気付きます。
8人は何故学校に閉じ込められるのか?自殺した生徒の正体は誰で何の目的で閉じ込めるのか?閉鎖空間に閉じ込められた8人が不可解な現象の正体を突き止めるために自殺した生徒の真相を追います。

この漫画は小説家の辻村深月が原作を担当して、新川直司が作画を担当しているミステリー・サスペンス小説のコミカライズ作品です。
小説作品は上中下の全3巻構成なのですが、コミカライズ作品は全4巻と小説が原作のミステリー作品としてはかなりコンパクトにまとまっています。
そのせいかミステリー・サスペンス作品であるにも関わらず物語展開が早く、また8人の生徒それぞれの過去のエピソードやそれぞれの人間関係も複雑に絡むため、ゆっくり読まないと理解が追いつかないところが所々あるため、漫画を読んでいるに小説を読んでいるような感じを受けるところがあります。
登場人物は8人の生徒と関係する数人しか登場しないのですが、「名字」「名前」「あだ名」が飛び交うため、「誰と誰がどのような関係なのか」という相関図を書いて読み進めると読みやすくて面白味が増します。
1度読み終えた後に結末を知ってから読み返すと、そこら中に謎のヒントが隠されていたことが分かるため、複数回読むことで作品の本質が伝わる漫画作品と言えます。

【まとめ買い】 冷たい校舎の時は止まる [Kindle版]

小説版はこちらです。

テセウスの船 /東元俊哉

タイトル:テセウスの船
作者  :東元俊哉
連載期間:2017年~
巻数  :既刊8巻(2019年7月現在)

28年前にタイムスリップした主人公が、自分の父親が1989年に起こした大量殺人事件の真相を追うSFミステリー漫画です。
主人公の田村心は児童含む21人が毒殺された「史上最悪の殺人事件」の犯人である佐野文の息子で、「史上最悪の殺人事件の犯人の息子」として幼少の頃より世間から叩かれて生活を送ってきました。
父の佐野文は当時警察官として北海道の音臼村に駐在していましたが、事件の犯人として逮捕され、その時から佐野の妻と子供たちは世間から逃げるように生活を送ります。
その息子である田村心は28歳になり、妻の死をきっかけに佐野文の冤罪の可能性を感じて独自に調査を始める為に音臼村に訪れますが、突如濃霧が発生して気が付くと1989年にタイムスリップしていました。

このマンガは父親が大量殺人犯として世間で大きく報道され、そのことで引っ越しを繰り返してきた妻とその子供たちの生活に触れられており、殺人犯「佐野文」との関りを限りなく消しながら生活を送る描写が非常にリアリティがあります。
心が生まれた時には父である佐野文は逮捕されており心は父に会ったことは無く、タイムスリップした1989年の音臼村で初めて父と会うことになります。
父との会話の中で犯人が父ではないと感じた心は、冤罪の可能性を信じて事件の真相と真犯人を追うため音臼村にとどまることを決意します。

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ドラマ版はこちらです。

不死の猟犬(しなずのりょうけん) /八十八良

タイトル:不死の猟犬(しなずのりょうけん)
作者  :八十八良
連載期間:2014年~2020年
巻数  :全7巻 スピンオフ全3巻

人が致命傷を負っても死亡せず「復活」することが当たり前の世界で、「復活」ができなくなる伝染病を巡る異世界召喚SFミステリー漫画です。
この世界では人は銃で撃たれて頭が吹き飛ぶような致命傷を受けたとしても、死亡すると何事もなかったように復活し、「復活」が人間の証しとされています。
しかし「復活不全症(RDS)」という病気に感染した者は、致命傷を受けても復活せず、生き返る事ができなくなってしまします。
RDSは感染する病気とされ、感染元は「ベクター」と呼ばれる経歴や過去の記録が一切存在しない「復活しない人間」で、警察はベクターとベクターを支援する犯罪者集団を追っています。
主人公の風間リンは警察で事務方として仕事している女性ですが、ベクターを支援する「逃がし屋」と呼ばれる存在で、RDSに感染して妹を失った刑事 剣崎真一と対峙することになります。

この漫画は「異世界召喚」「SF」「ミステリー」など複数のジャンルが含まれる作品です。
舞台は地球とそっくりですがパラレルワールド(平行世界)で、この世界の人類は「復活」があり決して寿命以外で死ぬことはありません。
この世界には「全人類の未来を管理するシステム」があり、もれなくこのシステムによって管理され、システムによる「未来を固定する」力が強い為、未来に矛盾する事象が起きると「事象がなかったこと」になります。
その典型的なものが致命傷を受けても死んだ直後に蘇る「復活」で、本来寿命で死ぬはずの人間が事故死したとしてもその事実が「なかった」ことになり、物理法則すら捻じ曲げた強い力となっています。
この世界で唯一人が死に至る病気「復活不全症(RDS)」は、感染源とされる「ベクター」により伝染しますが、このベクターは現世の地球から召喚された普通の人間であり、その人間と関係を持ち、「未来を固定する力」に影響を与えた結果、「なかったことにするシステム」が働かなくなったことで、人は致命傷を受けても復活しなくなります。
全人類を管理するシステムとは何なのか?なぜ普通に死ぬ人間であるベクターが送り込まれるのか?様々な謎がある物語で「異世界召喚×SF×ミステリー」の要素を含む大変面白い漫画です。

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不死の稜線(しなずのりょうせん) /八十八良

タイトル:不死の稜線(しなずのりょうせん)
作者  :八十八良
連載期間:2018年~
巻数  :既刊3巻 本編6巻(2019年11月現在)

人が致命傷を負っても死ぬことが無い世界で、人の「復活」ができなくなる病気を巡る異世界召喚SFミステリー漫画「不死の猟犬」のスピンオフタイトルです。
この世界では人は「復活」により死なないことが当たり前で、致命傷を受けて銃で撃たれて頭が吹き飛んだとしても、死亡すると何事もなかったように元に戻ります。
ある時から「復活不全症(RDS)」という病気に感染した者は、致命傷を受けても復活せず、生き返る事ができなくなるということが分かり、RDSの感染を断つために警察などの組織がRDSに感染した人間見つけては隔離するようになります。
主人公で高校生の若林雄貴は図書館で出会った年上の女性の久我カオリに一目惚れして遠巻きに見ていたのですが、ひょんなことから雄貴はカオリと交友をもつようになります。
しかし、カオリは”この世界の住人”ではなく、「ベクター」と呼ばれる経歴や過去の記録が一切存在しない「復活しない人間」で、雄貴はカオリの秘密を知りながらも逃走の手助けをすることになります。

この漫画は「異世界召喚」「SF」「ミステリー」など、様々なジャンルが含まれる作品で、舞台は地球とそっくりですがパラレルワールド(平行世界)で、この世界の人類は「復活」があり決して寿命以外で死ぬことはありません。
本編である「不死の猟犬(しなずのりょうけん)」のスピンオフタイトルである為、本編で登場する人物が多数登場しますが、本編を知らなくても物語が楽しめる構成になっています。
少しだけネタバレになりますが、この世界には「全人類の未来を管理するシステム」があり、もれなくこのシステムによって管理され、システムによる「未来を固定する」力が強い為、未来に矛盾する事象が起きると「事象がなかったこと」になり、その典型的なものが致命傷を受けても死んだ直後に蘇る「復活」となっています。
この世界で唯一人が死に至る病気「復活不全症(RDS)」は、感染源とされる「ベクター」により伝染しますが、このベクターは現世の地球から召喚された普通の人間で、ベクターと関係を持ち、「未来を固定する力」に影響を与えた結果、「なかったことにするシステム」が働かなくなったことで、人は致命傷を受けても復活しなくなり、これを伝染する病気「復活不全症(RDS)」と解釈しています。
そしてこの世界は「人が死なず復活をする世界」として何者かに500年ほど前に作られたもので、様々な展開をみせるストーリーで「異世界召喚×SF×ミステリー」の要素を含む大変面白い漫画です。

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天国大魔境 /石黒正数

タイトル:天国大魔境
作者  :石黒正数
連載期間:2018年~
巻数  :既刊8巻(2022年2月現在)

未曾有の大災害により現代文明が崩壊した日本を舞台にした隔離した施設で育てられた不思議な力を持つ少年少女をめぐるSFミステリー漫画です。
世界は未曾有の大災害によって崩壊して現代文明は完全に破壊された中で、主人公の少年マルは便利屋を開業している少女キルコと共に「天国」と呼ばれる場所を探す旅を続けています。
世界が崩壊した後は政府は機能を失い、無法者が闊歩する秩序が無い世界となっており、人々は瓦礫となった建物から使える物を掘り出したり、インフラ施設を修理する等、過去の文明を頼りにした生活を続けています。
多くの人々は過去の文明と秩序ある生活の復活を願っていますが、大災害以降に出現するようになった人間の天敵である「人食い(ヒルコ)」と呼ばれる怪物の存在により、復興は思うように進まず停滞していました。
人々は「人食い(ヒルコ)」に対しては有効な対抗手段を持っていませんでしたが、マルは「人食い(ヒルコ)」に対して触れると致命傷を与えられる不思議な力を持っており、その力の謎や世話になった女性の遺言で「天国で同じ顔をした人間を探し、薬を打て」という約束を守る為に護衛者として便利屋のキルコを雇い、僅かな情報から「天国」と呼ばれる存在や自身の力の謎を追うことになります。

この漫画は「天国」と呼ばれる隔離した施設で生活する少年少女の様子と、秩序が崩壊した世界で「天国」と呼ばれる場所を探す主人公と場面が交互に入れ替わりながら物語が進みます。
「天国」の施設で生活する少年少女にはそれぞれ不思議な力が備わっており、園長と呼ばれる人物の元、厳格に管理された施設で教育を受けていますが、その施設の目的や不思議な力を持つ理由など、あらゆる情報が謎のまま物語が進みます。
主人公のマルはキルコと共に僅かながらの「天国」の情報を追って旅をする中で、少しずつ世界が何故崩壊したのか、人間の天敵である「人食い(ヒルコ)」の正体はなにかといった情報が明らかになり、様々な伏線が少しずつ拾われていく様はミステリー漫画としても非常に面白く続きが気になる展開が続きます。
この作品は「このマンガがすごい!2019」でオトコ編第1位にランクインしており、個人的には今後が楽しみな作品の一つです。

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テスラノート /原作.西田征史 久保忠佳 漫画.三宮宏太

タイトル:テスラノート
作者  :原作,西田征史 久保忠佳 漫画.三宮宏太
連載期間:2021年~
巻数  :既刊6巻(2022年3月)

天才科学者ニコラ・テスラの発明の記録が収まった水晶「テスラの欠片」をめぐり、各国の諜報機関が争奪戦を繰り広げる「SFミステリー×スパイアクション」漫画です。
主人公で女子高生の根来牡丹(ねごろ ぼたん)は幼少頃より根来忍者の末裔でもある祖父より最高の諜報員に成るべく英才教育を受けて育てられていました。
ある日、ノルウェーで走行中の列車が空間転移する事件が起きたことをきっかけに、牡丹は日本の諜報機関である”日本安全振興株式会社”の仲間と共に、天才科学者ニコラ・テスラの発明の記録が収まった水晶「テスラの欠片」を回収する任務に召集されます。
「テスラの欠片」にはニコラ・テスラの開発の記録がおさまっており、ニコラ・テスラは当時の技術力では自身の発明を扱う事ができないと判断し、技術を未来へ残す為に発明品ごとにわけた水晶を、100年後まで利用できないようにロックを施します。
しかし、二コラ・テスラは技術を狙う組織に追われたことから、水晶を世界各国にバラまいて隠し、日本の諜報員として活動していた牡丹の祖父である根来甚吾に水晶が暴走した際は速やかに回収するように依頼します。
それから時がめぐり、ノルウェーで起きた列車が空間転移する事件が「テスラの欠片」が関与していることから、テスラの技術を手にしたい各国の思惑で、「テスラの欠片」をめぐる争奪戦が繰り広げることとなります。

この漫画は実在の人物で「天才肌の発明家」として知られるニコラ・テスラを題材にした物語となっており、人気アニメ「TIGER & BUNNY」の構成・脚本の人が原作となっている漫画作品です。
原作である脚本が、初めからアニメ作品を主眼とした作品であることから、漫画はアニメの宣伝的な位置づけとなっており、漫画連載が始まってすぐにアニメ放送が始まりました。
アニメの脚本が原作となっていることから、漫画としては展開が非常に早くて、若干の違和感を覚えますが、シリアスな展開の中でもコミカルな要素を挟んでくるなど、緩急を付けた構成となっています。
ただ、世界の諜報機関や諜報員(スパイ)をテーマにした作品としてはリアリティが乏しくて、主人公と主人公を取り巻く仲間のグダグダな展開が時折挟まることで、本格的なスパイアクションを求めている読者には肩透かしを喰らう作品と言えます。
絵やキャラクターデザインは万人受けしやすい今風のものとなっており、キャラクターの喜怒哀楽もしっかりと描けている事から手に取りやすい作品で、アニメファンにもおすすめ出来る漫画となっています。

 

アニメ版はこちらです。

掟上今日子の備忘録 /原作.西尾維新 漫画.浅見よう

タイトル:掟上今日子の備忘録
作者  :原作.西尾維新 漫画.浅見よう
連載期間:2015年~
巻数  :既刊5巻(2017年4月現在)

主人公の掟上今日子は探偵を営む25歳の女性で、「最速の名探偵」「忘却探偵」と呼ばれ、数々の難事件をこれまで解決しています。
彼女には”前向性健忘症の一種”の障害があり、短期記憶が目を覚めている間だけしかとどめることが出来ない為、彼女が眠った瞬間にその日にあった出来事を全て忘れてしまいます。
そのため機密性の高い事件を引き受け、基本的には1日以内で解決できない事件は引き受けません。
眠りにつき目が覚めると寝る前の記憶を失うだけでなく、自分の名前や職業も忘れてしまっているため、自身の身体にマジックペンで彼女自身の情報や、事件の情報を書き残すことで短期記憶の障害を補っています。
彼女はこうした記憶を継続できない障害を持つのになぜ探偵業を続けているか・・・物語が進むにつれて少しずつ明らかになっていきます。

このマンガは西尾維新の小説が原作で浅見ようがマンガを担当しています。
私は原作を読んでからマンガを読んだ口なので、西尾維新の作品で有名な「物語シリーズ」がありますが、この「忘却探偵シリーズ」も非常に面白く台詞遊びがあり、特徴的な文体が好きです。
物語は基本的には「事件が発生」→「探偵 掟上今日子が登場」→「謎を解き明かし解決」という流れで進んでいきます。
しかし大きな物語の流れとして、掟上今日子がなぜ短期記憶が出来なくなったのか、なぜ探偵業をしているのかということが次第に明らかになっていきます。
台詞が多い漫画ですが絵も見やすく、テンポよく読めてミステリー好きにお勧めの作品です。

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2016年に主演が新垣結衣でテレビドラマ化しています。

LOOP THE LOOP 飽食の館  /原作.Kate 漫画.カズミヤアキラ

タイトル:LOOP THE LOOP 飽食の館
作者  :原作.Kate 漫画.カズミヤアキラ
連載期間:2018年~2019年
巻数  :全3巻

欲しい物や食べたい物がなんでも出せて、いらない物はなんでも消せる現実では考えらない不思議な洋館に迷い込んだ12人の男女が館から脱出する為に奔走するミステリーサスペンス漫画です。
主人公で高校生の荒川 零弥(レミ)は塾をサボる為に公園で過ごしていると突如意識を失い、気が付けば窓も扉もない洋館のロビーにいました。
レミが住む街では短期間23人もの人間が神隠しに逢っており、その館には神隠しに逢い失踪した人物11人がハウスルールをもとに共同生活をしており、レミは12人番目の「家族」として迎えられます。
この館には「12室の望んだものがなんでも出せる部屋」と「食べたいものが出せる銀の蓋」があり、何故なにも無いところから物が現れるのか、何故この館に連れてこられたのか誰も分からずにいました。
一部のメンバーは館から脱出する為に館の調査を行うのですが、その過程で「家族」と思われていたメンバーが館がどういうところか情報を掴んでいるのに、館の謎を隠している事実を知ります。
自由で何でも手に入る「飽食の館」から帰りたいと考える者と、このままずっと過ごしたいと考える者が互いの腹を探る中で、一人の「家族」が惨殺された死体で見つかったことで平穏な生活が終わりを迎えます。

この漫画は窓も出入口もない洋館に閉じ込められた12人の男女が犯人が分からないまま次々と殺されて行くミステリーサスペンスものの定番の展開を見せます。
犯人は「家族」として過ごしてた12人の誰かなのか、それとも13番目のまだ見ぬ人物なのか、それぞれが猜疑心膨らむ中で少しづつ館の法則を見つける事で事件の真相に近づいていきます。
食べたいものも欲しいものもなんでも手に入り、不必要な物はなんでも消せる現実離れした現象が当たり前のように起こる「飽食の館」での共同生活は、何も不満は無く平穏な日々を送れるはずなのですが、その中で起きた殺人事件には「証拠」や「犯人の動機」が見当たらず、事件の真相が分からないまま1人また1人と殺されていきます。
ミステリーサスペンスものの定番とも言える「閉じられた洋館で起こる連続殺人事件」ですが、現実離れした飽食の館の法則や生活を送る12人のメンバーで取り決めたハウスルールが加わることで、これまでに無かった推理と面白い展開を見せる物語となっており、全3巻と読みやすい巻数なので週末の一気読みにはおすすめのタイトルです。

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小説版はこちらです。

村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない /原作.昼熊  漫画.森田和彦

タイトル:村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない
作者  :原作.昼熊  漫画.森田 和彦
連載期間:2020年~2023年
巻数  :全6巻

10年来ニートとして引きこもり生活を続けていた青年が、差出人不明の村を発展させるゲームのテストプレイヤーに選ばれたことで、ゲーム内の村の発展を通して人として成長していく「SF×ミステリー」漫画です。
主人公の良夫(よしお)は、大学を卒業後はそのまま就職して社会人になり、順風満帆の人生を送ると考えていましたが、就職活動に失敗したことをきっかけに自宅に引きこもるようになり、10年余りニートの生活を送っていました。
ある日、良夫の元に差出人不明の小包が届き、開封したところ中身は『命運の村』という未発表タイトルのゲームソフトでした。
良夫は趣味で応募している懸賞に当選して、未発表ゲームのテストプレイヤーに選ばれたと考え、ダウンロードをしてプレイを始めたところ、実写と見紛うような美麗なグラフィックのゲームが始まります。
『命運の村』は、1日1回だけゲーム内で「神託」という形でNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)である村人に指示を出せる仕組となっており、神様として村人に神託を与えて村を発展さえて繁栄に導くゲームでした。
ゲームの中の村人は、まるで現実に生きているかのように振る舞い、良夫の指示に従い、モンスターといった外敵から身を守り、村を発展させていきます。
実写と見紛うような美麗なグラフィックと、まるで生きているかのように振る舞うNPCの村人がいる『命運の村』というゲームにハマった良夫は、村をより発展させる為には課金が必要になったことから、ニート生活10年目にしてお金を稼ぐ為にアルバイトを始めることになります。

この漫画は村を発展させるシミュレーションゲームを通して、プレイヤーである青年が成長していく様を描いた、かなり珍しいストーリー構成となっています。
最近流行りの「異世界転生もの」では、ゲームの世界に紛れ込んでしまう作品が多数存在しますが、この漫画では、現実世界とゲームの中の世界はきっちりと線引きがされており、主人公は「村を導く神様」として、1日1回NPCに神託を与えることしか出来ません。
しかし、村が発展して、村人が神へのお供えをするようになると、そのお供え物が良夫の自宅に宅配便として届けられるようになり、ゲームの世界の出来事が現実に影響するようになります。
『命運の村』は最近のゲームシステムと同じように「課金システム」があり、村をより効率良く発展させるためには課金が必要があることから、引きこもりだった主人公は家族との対話を持つようになり、仕事を探して収入を得るためにアルバイトを始めます。
タイトルから、最近よく目にする「ゲームの世界に転生して活躍する」物語と思っていましたが、現実とゲームの世界の線引きが非常にうまく、引きこもっていた主人公が家族との絆と、社会とのつながりを得て自立していく面白い物語展開で、人にお勧めしやすい漫画と言えます。

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小説版はこちらになります。

じけんじゃけん! /安田剛助

タイトル:じけんじゃけん!
作者  :安田剛助
連載期間:2016年~2020年
巻数  :全7巻

高校の同好会である「ミステリ研究同好会」で起こる、ミステリー小説を愛してやまない女子高生を中心とした日常を描く日常系青春ミステリー漫画です。
主人公で女子高校生の白銀百合子は広島弁が特徴の校内一の美女で、ミステリを愛してやまない性格であり、ミステリーのトリックを自ら考えたり、時には自身が死体役となってトリックを披露するなど、同好会の後輩にミステリーの面白さを伝えることを楽しみとしています。
同好会では活動の一環で密室トリックを披露したり、離島の洋館で夏合宿をするなど、全ての活動に「ミステリ」を絡める力の入れようで、百合子はミステリの為なら努力を惜しまないちょっと変わった性格の持ち主です。
そんな百合子に惚れてミステリ研究同好会に入った戸入蕗太郎や、戸入の同級生や後輩などが集まり、ミステリを絡めつつも人間関係を育み青春を謳歌します。

この漫画はミステリ好きの少し変わった性格の白銀百合子を中心とした高校生活を、「ミステリ」の題材に絡めて面白おかしく描いた作品で、事件が頻発して謎解きがメインの物語ではありません。
その為、「事件」「謎」「トリック」を解くことを楽しみとして読むと肩透かしを喰らうマンガで、どちらかというと「ミステリに興味がない方に向けたコメディ漫画」と言えます。
ミステリに知識がない方でも分かりやすくミステリ特有のトリックを解説したり、有名ミステリ小説の解説や、どういった点に意識して読み進めるとミステリ作品が楽しめるのかといった解説が丁重にされており、ミステリ作品をあまり知らない方に「ミステリ」の面白さについて興味を持たせる内容となっています。
物語は主人公の百合子を中心とした高校生活の日常を描く「日常系コメディ漫画」と言え、日常の中にミステリの解釈や有名どころからマイナーまでの様々な作品を取り入れて読者に語る、非常に目新しい新感覚の漫画作品と言えます。

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ゴールデンゴールド /堀尾省太

タイトル:ゴールデンゴールド
作者  :堀尾省太
連載期間:2015年~
巻数  :既刊9巻(2022年1月現在)

瀬戸内海のとある島に住む少女が謎の置物を見つけることで始まる、SFミステリーサスペンスホラー漫画です。
主人公で中学3年生の早坂琉花は人の心の動きに敏感で、広島の中学校に通っていましたが不登校になり、父方の祖母が住む寧島に移り住みます。
琉花は寧島で出会った同級生の少年・及川に恋をしますが、及川は琉花を友人としか見ておらず、関係が進展することはありませんでした。
ある日、琉花は海辺で謎の置物を拾い、山中の祠に祀って及川との関係が進展するように祈りを捧げたところ、置物は命を宿して動き出して琉花の家に住み着く事態になります。
しかし島民には「50代ぐらいの小柄な男性」として見えるようで大きな問題にはならず、同時にどういったわけか、琉花の祖母が営む民宿や雑貨店が繁盛し始めます。
置物はやがて「フクノカミ(福の神)」と名付けられ、どこか禍々しく怪しい動きで島民たちを操り始めます。

このマンガはジャンルの幅が非常に広く、SFやホラー要素のあるミステリー漫画で、ジャンルを絞り切れない内容となっています。
フクノカミは島民からは「50代ぐらいの小柄な男性」と映りますが、島民以外の人々には「動く謎の人形」として映っています。
この「フクノカミ」には富をもたらす力があり、フクノカミが住み始めたことで祖母が営む民宿や雑貨店が繁盛し、やがて島全体を巻き込んだ事業へと発展しようとします。
謎のフクノカミがどのような存在で結末がどうなるのかが大変気になるマンガで、ホラー要素は若干ありますがそれほど抵抗なく読める内容となっています。

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僕だけがいない街 /三部けい

タイトル:僕だけがいない街
作者  :三部けい
連載期間:2012年~2016年
巻数  :全9巻

タイムリープ能力を持つ主人公が、過去に戻り自分と周囲の人々を襲う悲劇を回避する為に奮闘するミステリー・サスペンス漫画です。
主人公で漫画家の藤沼悟は”再上映(リバイバル)”と自身が呼んでいる「悪いこと(事件・事故等)」の原因が取り除かれるまで、その直前の場面に何度もタイムリープするという特殊能力を持っています。
ある日、アルバイト中に交通事故を起こし、事故の知らせを受けて上京した母親・佐知子とアパートで暮らし始めることになるのですが、買い物中にリバイバルが発生します。
しかしリバイバルのおかげで誘拐事件を未然に防ぐのですが、この時佐知子は1988年に北海道で起きた誘拐殺人事件の真犯人と同一犯であることに気が付きます。
その後、佐知子は犯人に口封じの為に殺害され、悟は犯人に仕立て上げられることになり警察に追われますが、それまで経験したことがない長期間のリバイバルが発生し、気が付くと1988年に戻っていました。

このマンガは基本はミステリー・サスペンス漫画ですが、タイムリープという要素が加わる内容となっています。
リバイバルで1988年に戻った悟は、小学生の頃に起きた連続小学生誘拐殺害事件を阻止しようと奮闘し、真犯人を見つけようとします。
母親の死をきっかけに2006年と1988年を往復するリバイバルが発動して、小学校で起きた事件と2006年の事件が絡んでいることを知り、犯行を未然に防ごうと奮闘します。
犯人を追いつめていく過程が面白くてミステリー・サスペンスものが好きな方には大変おすすめの漫画です。

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2016年にアニメ化しています。

2016年に映画化しています。

白暮のクロニクル /ゆうきまさみ

タイトル:白暮のクロニクル
作者  :ゆうきまさみ
連載期間:2013年~2017年
巻数  :全11巻

2015年の東京が舞台のミステリー漫画で、この世界では「オキナガ」と呼ばれる不老不死の種属が世間からの言われのない差別や様々な問題を抱えながらも社会に溶け込んで共に生活する、不死の種属「オキナガ」とそれに関わる人たちの人間ドラマです。
主人公の一人で厚生労働省に務める伏木あかりは、保健所での研修中に殺人事件に遭遇します。
この事件がきっかけで、あかりはオキナガの監督を行う部署「夜間衛生管理課」に配属されることになり、上司に連れられ訪れた私設図書館でもう一人の主人公である雪村魁に出合います。
魁はオキナガで見た目は18歳と若いですが80年以上生きており、魁とあかりは共に「オキナガ案件」と呼ばれるオキナガに関連する事件に関わることになります。

このマンガでは細かな設定がしっかりと構築されており、「オキナガ」と呼ばれる不老不死の種属がどうやって日本の社会に根付いているのか、そのことで起きる問題をどういう方法で対応しているのかと言った物語の根幹となる設定をしっかりと補強しており、「オキナガ」と呼ばれる不老不死の種属が社会に溶けこんだ世界観を違和感なく構成しています。
例えば”オキナガ”が生まれる説明に「なりあがる」という言葉があるのですが、外傷を受けた人にオキナガの血を与え、適応すると「オキナガという存在に”成って”人から“上がる(終る)”」という意味で、言葉一つとっても設定が魅力的です。
「オキナガ案件」の事件の追って行くうちに様々な謎が一つずつ明らかになり、「オキナガ」独自の数十年・数百年にわたる人間関係や人間ドラマが面白く、テンポよく読むことが出来る漫画です。

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クロコーチ  /原作.リチャード・ウー 漫画.コウノコウジ

タイトル:クロコーチ
作者  :原作.リチャード・ウー 漫画.コウノコウジ
連載期間:2012年~
巻数  :既刊23巻(2018年8月現在)

主人公で神奈川県警捜査第二課に所属する黒河内圭太は警部補の肩書を持ち、政治家や実業家の弱みを握ることでゆすりをかけ、大金をせびり取っています。
警察の上層部は彼を「県警最悪の警察官」と呼び、彼の恐喝行為に気が付いていますが、証拠を掴めずにいました。
もう一人の主人公である若き管理官の清家真吾は黒河内の悪行の証拠をつかむ為、黒河内と行動を共にしますが、彼のいやしき警察官としてあるまじき行為を嫌悪しつつも事件を追う姿勢を見て黒河内に協力することになります。
黒河内は三億円強奪事件や警察庁長官狙撃事件など、迷宮入りした未解決事件に挑み、清家と共に事件を追います。

このマンガは実在した未解決事件である三億円強奪事件や警察庁長官狙撃事件などをテーマとしています。
実在する未解決事件を解き明かしていくので、物語の展開が大変面白く読者をぐいぐいと引き込みます。
フィクションで独自の仮説ではありますが、未解決事件の全貌をしっかりと押さえているので違和感を感じることなく読むことが出来ます。
刑事ドラマが好きな方やミステリーサスペンス物が好きな方には、大変読み応えのある漫画作品です。

【まとめ買い】 クロコーチ [Kindle版]

2013年に主演が長瀬智也でテレビドラマ化しています。

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時間島 /原作.椙本孝思 漫画.松枝尚嗣

タイトル:時間島
作者  :原作.椙本孝思 漫画.松枝尚嗣
連載期間:2014年
巻数  :全1巻

かつて炭鉱として栄えた孤島を舞台に、閉鎖空間での連続殺人事件とタイムワープが絡むSFミステリー・サスペンス漫画です。
主人公のADの仕事をしている佐倉準は廃墟の島「矢郷島」でのテレビ番組の撮影の為に撮影スタッフや役者の9名と共にロケの為訪れています。
佐倉は地底湖で会社から支給されていた携帯電話を落としてしまうのですが、地底湖に落としたはずの携帯から突如動画メールが送られ、5年後の未来にいるというミイラ姿の人物から、ロケ参加者の9名が皆殺しにされると予言されます。
この廃墟の島は以前から神隠しなど不思議な現象が起きていた島で、島民からは「時間島」と呼ばれている島でした。
ロケ参加の9名は嵐の為に足止めされて、島から出れずに次々と災難に見舞われ命を落としていきます。

この漫画は基本は孤島という閉鎖空間を舞台にしたミステリー・サスペンスものなのですが、そこにタイムワープという時間の概念が加わったSFミステリー・サスペンス漫画です。
2010年に出版された小説が原作で、全1巻にまとめられた内容になっています。
地底湖に落とした携帯電話は5年後にタイムワープし、その携帯電話を通してミイラ姿の謎の人物から動画メールが送られ、その人物はロケ参加者9人の中の唯一の生き残った人物で、その人物から未来を変えるために9人の中から犯人を見つけるよう言われます。
物語の大筋である殺人犯を見つけるミステリー・サスペンスのストーリーに、SF要素である時間の概念をストレートに加えた内容で、全1巻とコンパクトにまとまっている面白い作品です。

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三億円事件奇譚 モンタージュ /渡辺潤

タイトル:三億円事件奇譚 モンタージュ
作者  :渡辺潤
連載期間:2010年~2015年
巻数  :全19巻

昭和史最大の未解決事件である「三億円強奪事件」を題材としたミステリー漫画です。
主人公の鳴海大和は小学生の頃、幼馴染の小田切未来と共に路地裏で血まみれの老刑事を発見し、その刑事は大和に「お前は三億円事件の犯人の息子」「誰も信じるな」と言い残して事切れます。
その後、大和の父親は不審な事故死を遂げ、身寄りのない大和は小田切家に身を寄せる事になりました。
そして時は過ぎ高校生となった大和はある日、父の剣道着に隠されていた血痕が付いた500円札を見つけます。その500円札は「三億円強奪事件」の通しナンバーのものと一致します。
同時に未来の父も剣道着の秘密に気づき、何かを調べてるうちに夫婦共に失踪することになります。
大和と未来は未来の父が残したメモの手がかりを基に長崎県の軍艦島を訪れ、そこで旧紙幣の大量のお金を見つけることになります。

この漫画は昭和最大の未解決事件ともいわれる「三億円強奪事件」をテーマにしたミステリー漫画で、史実の事件内容を独自に解釈した物語となっています。
今まで多くの三億円強奪事件をテーマにしたドラマや映画などがありましたが、このマンガはかなりスケールが大きく非常に面白い展開が続きます。
「三億円強奪事件」の真相はどんな内容なのか、そういった大きな謎を追う中で出てくる様々な伏線が張られ、それを拾っていく物語展開は時間を忘れて冒頭できます。

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万能鑑定士Qの事件簿 /原作.松岡圭祐 漫画.神江ちず

タイトル:万能鑑定士Qの事件簿
作者  :原作.松岡圭祐 漫画.神江ちず
連載期間:2013年~2017年
巻数  :全10巻

若い女性の鑑定家が主人公のミステリー漫画です。
主人公の凜田莉子は高校までは成績は優秀とは言えませんでしたが、上京後に感受性を生かした勉強法を使い、幅広い知識を身に付けることでディスカウントショップの買い取りコーナーの立派な鑑定員として成長します。
その後20歳で独立し、飯田橋の神田川沿いにある雑居ビルに「万能鑑定士Q」なる店を持ちます。
莉子は鑑定士としての腕を振るい、「ロジカル・シンキング(論理的思考)」を駆使し、「絵画・骨董・宝石」から漫画や映画など幅広い様々なものに即座に鑑定するだけの知識と能力を持つようになりました。
鑑定の為に店に持ち込まれる様々な依頼品の鑑定する中で依頼品を発端として事件の解決に乗りだします。

この漫画は松岡圭祐の小説が原作で神江ちずが漫画を担当しています。
原作である小説は「面白くて知恵がつく人が死なないミステリー」がテーマとなっており、作中で殺人事件が描かれない特徴を持つミステリー作品の先駆けです。
事件として取り上げる内容はネットで話題になった事や、現実の世界で話題となっている事を発端とする構成になっており、現実の世界とのリンクする内容が多いのが特徴です。
このマンガでは様々な雑学が語られるのですが、いつ使うのかというような面白い雑学がたくさん登場します。
絵も見やすくテンポよく読めてそして知識や雑学が身に付くという非常に面白いマンガです。

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小説版はこちらです。

2014年に映画化しています。

ビブリア古書堂の事件手帖 /原作.三上延 漫画.ナカノ

タイトル:ビブリア古書堂の事件手帖
作者  :原作.三上延 漫画.ナカノ
連載期間:2012年~ 2014年
巻数  :全6巻

神奈川県鎌倉市北鎌倉を舞台とする古本屋を営む女性と活字に対して苦手意識を持つ男性の二人が主人公のお話です。
鎌倉で何十年も前から営業している老舗古本屋 「ビブリア古書堂」の店主、篠川栞子は接客業でありながら初対面の人とは口もきけないほどの人見知りですが、古書に関係する知識は並大抵ではなく、本に関することになれば滑舌が良くて生き生きと語ります。
もう一人の主人公である五浦大輔は幼少の頃より活字を見ると体調が悪くなる「活字恐怖症」であり、読書とは縁遠い人生を送ってきました。
大輔は祖母が遺した「漱石全集」を査定してもらうために「ビブリア古書堂」を訪れたとこがきっかけで栞子とかかわることになります。
「漱石全集」には祖母に関わる重大な秘密が隠されており、その謎を解き明かすことになります。

このマンガは三上延の小説が原作でナカノがマンガを担当しています。
ミステリーのテーマが古書にまつわるもので、一見すると地味なお話に感じるかもしれませんが、身近な古書という存在は多くの方になじみがあります。
古書には本の持ち主の物語も記録さており、小さな手がかりから様々な謎を解き明かす件は読んでいてとても気持ちが良いです。
また、一冊の古書からの謎を解くという点が非常に面白く、取り上げる古書も実在するもので思わず読んでみたくなります。
実際にテレビドラマが放送された後は題材として取り上げた古書の売り上げが伸びたそうです。

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2013年に主演が剛力彩芽でテレビドラマ化しています。

虚構推理 /原作.城平京 漫画.片瀬茶柴

タイトル:虚構推理
作者  :原作.城平京 漫画.片瀬茶柴
連載期間:2015年~
巻数  :既刊18巻(2022年12月現在)

都市伝説や怪異をテーマにしたミステリー漫画です。
主人公で大学生の岩永琴子は11歳の頃に神隠しに遭い、右眼と左足の膝から下を失うことで、怪異たちの知恵の神になります。
琴子はこの神隠しがきっかけで、怪異たちのトラブルの仲裁・解決する役割を果たすようになり、人間と怪異の中間に位置する存在になります。
もう一人の主人公である桜川九郎は幼少の頃に「くだん」と「人魚」の肉を食べさせられたため、未来をつかむ力と不死身の体を持つことになりました。
二人は世間を騒がせ都市伝説として語られるアイドルの亡霊・鋼人七瀬を消滅させるために、鋼人七瀬が消滅する未来をつかむための欺瞞に満ちた虚構の推理を展開します。

このマンガは城平京の小説が原作で片瀬茶柴がマンガを担当しています。
「人魚」「河童」「くだん」など、様々な怪異が登場し、ファンタジー色が強いですが、しっかりとした推理と考察が行われ、鋼人七瀬と呼ばれる都市伝説が生み出した亡霊を退治する物語です。
小説のペースで漫画を描いているのか、物語の展開がかなりゆっくりで、小説1冊を漫画6巻で描いているため、漫画を読んでいるのに小説を読んでいるようなペース配分で不思議な感覚になります。
キャラクター設定が魅力的で台詞では語らない描写がところどころにあり、何度も読み返して楽しめる漫画です。

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アニメ版はこちらです。

ルーズ戦記 オールドボーイ /原作.土屋ガロン 漫画.嶺岸信明

タイトル:ルーズ戦記 オールドボーイ
作者  :原作.土屋ガロン 漫画.嶺岸信明
連載期間:1997年~1998年
巻数  :全8巻

10年間監禁された男が、自身の監禁事件の謎を追うミステリー漫画です。
主人公の五島慎一は飲み歩いて、酔いつぶれた後に目が覚めると見知らぬ部屋に監禁されていました。
そこはビルの7階と8階の間にある7.5階のフロア内のTVと寝具がある無機質な部屋でした。
なぜ自分がそのような場所にいるのか、どうして監禁されるようなことになったのか、理由がわからないまま10年もの歳月が経ちます。
そしてある日突然監禁が解かれて目が覚めると公園にいました。
五島はなぜ自分が監禁されたのか、監禁したのは誰なのか、監禁の目的は何だったのか、10年という歳月を経て自由を取り戻した男が真相を知るために動き出します。

この漫画は読者に情報を与えず、冒頭からとても大きな謎を突き付け、それを少しずづ解いていくというスタイルで物語が進みます。
監禁から解放後に、すぐに自分を監禁していた場所の捜索を開始して、一つ一つ謎が解き明かされ真相に近づく物語展開が非常に面白く、続きが気になりしかたがありません。
このマンガが原作で2本映画化されており、2003年の韓国映画版はカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリの賞を取っています。
また2013年にはハリウッド映画化されております。

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映画版はこちらです。

ミュージアム /巴亮介

タイトル:ミュージアム
作者  :巴亮介
連載期間:2013年~2014年
巻数  :全3巻

主人公の刑事である沢村久志は仕事熱心な警察官ですが、家庭を顧みず妻との問題を抱えていました。
ある日、猟奇的な殺人事件を担当することになります。
それは被害者が生きながら犬に喰い殺されるというおぞましい事件で、現場に残されたメモと思わしきものが見つかりそれには「ドックフードの刑」と書かれおり、私的な制裁である”私刑”を疑います。
その後同様の手口の殺人事件が続き、現場には刑の内容を残すメモが残されており、連続の殺人事件の被害者はある猟奇殺人事件の裁判員制度による裁判員だった共通点が見つかります。

沢村の妻はこの猟奇殺人事件の裁判員制度による裁判員を担当していた為、すぐに保護しなければなりませんが、1週間前に子供を連れて家を出て行っていたため、妻と子供の足取りを追いますが、そこで犯人の男と遭遇することになります。
この漫画は猟奇連続殺人事件を追う刑事の物語で、事件の描写については痛々しいシーンがあります。
最初は関連が無いと思われた殺人事件が一つの共通点が見つかり、その共通点を追うことで犯人の異常性が浮き彫りになりっていきます。
謎が解き明かされることで、さらに謎が現れと非常にスピーディに物語が進み、最後まで読者を釘付けにする展開が続きます。
このマンガは2016年に映画化されておりますが、映画版とマンガ版では結末が異なるのでそれぞれ楽しむことが出来ます。

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映画版はこちらです。

生存 Life /原作.福本伸行 漫画.かわぐちかいじ

タイトル:生存 Life
作者  :原作.福本伸行 漫画.かわぐちかいじ
連載期間:2000年
巻数  :全3巻

1999年の長野県を舞台にしたミステリー漫画です。
主人公の武田信太郎は大手建設会社の専務を務めるサラリーマンですが、妻に先立たれ、娘は14年前に失踪して行方不明になっていました。
信太郎は医師により肝臓がんで余命半年の宣告を受けたその日に、一度は自殺を試みますが、警察から電話があり失踪した娘の佐和子の遺体が発見されたことを知らされます。
遺体の状況から事件に巻き込まれたことが分かり、殺人事件として捜査されることになります。
自分に残された余命と娘に対する殺人の時効が重なるように半年であることに運命を感じた信太郎は、会社を退職して残された余命を使い、娘を殺害した犯人を捜すために14年前に残した娘の痕跡に向かい合い足取りを追います。

この漫画は福本伸行が原作で かわぐちかいじが漫画を担当しています。
福本伸行は「カイジ」で有名で物語の構成や読者の裏をかく展開には定評があり、このマンガでも犯人を捜して追い詰めていく様にも相手の裏をかいたりアリバイの為の偽装を逆に利用し返すなど、本当に物語の先が読めず、読んでいて手に汗握る展開が怒涛のように押し寄せます。
”時効”という多くの方が知っている仕組みを深く掘り下げ、時効がどのような条件で成立するのか、事件の発生日時をどのように決めるのかといった、普段知ることのない知識が身につき、これを読んでおくことで他のミステリーサスペンス物がより面白く感じるようになります。
このマンガは2002年にNHKで連続4回のドラマなりましたが、残念ながらDVD化はしていないようです。

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最後に

おすすめミステリー漫画はいかがでしたでしょうか。

小説が元であったり、原作者が漫画家と別であったりするケースが多く、やはり物語の構築するために多くの労力を割いているんだろうと想像してしまいます。

結末を知っても2回目3回目と読むことで気が付くことが多く、またマンガを読んでから小説を読むといった楽しみもできます。

どれもお勧めですので、ぜひ読んでみてください。

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