戦争・ミリタリー漫画

漫画「めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~」の感想・レビュー!明治陸軍の”ミリ飯”を描いた面白いマンガ

こんにちはユレオです。

皆さんはこれまでに日々の食事に困る生活を送った経験はありますか?

日本は世界的に見て食糧事情が裕福であるため、現在社会では食糧が簡単に手に入ることもあり、日々の食事に困る生活を経験するという事はなかなか無いことかと思います。

しかし、日本は戦時中や戦前は貧しくて貧困に喘ぐ人々が大勢おられ、食糧事情は今と比べ物のならないほど貧相なものでした。

本日ご紹介する漫画は食糧事情が乏しい明治時代を舞台とした文明開化直後の日本陸軍の食事にフォーカスした「ミリタリー×グルメ料理漫画」です。

タイトル:めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~
作者  :清澄炯一
連載期間:2017年~
巻数  :既刊5巻(2020年3月現在)

1903年の明治時代の日本陸軍をテーマにしたミリタリー漫画ですが、戦争というテーマもさることながら、軍隊における食料事情をテーマにした内容で、歴史文献をしっかりと再現した資料価値のある漫画です。

軍隊での食事は「戦闘食」「ミリタリー飯」「ミリ飯」とも言われて、近年は携帯性や保存性に優れているため、災害用の非常食として様々な種類が販売されています。

こうした「ミリ飯」は軍隊が如何に効率よく作戦行動が出来るかを考えて開発され、軍隊の近代化でも大きな役割を果たすなど、軍隊にとって非常に重要な兵站を担うものです。

「めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~」は明治陸軍の食糧事情を赤裸々にした内容で、陸軍や官公庁で行われていた諸動作や伝統を後世に語り継ぐ活動をしている「軍事法規研究会」が交証協力しているなど、本格的な歴史文献として読むことが出来る大変面白い内容となっています。

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明治陸軍の内情が分かる「めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~」のあらすじ

明治時代、日本は多くの貧困に喘ぐ人々が生活を送る中、主人公の千歳も貧困に苦しみ、生きるために盗人を繰り返す生活を送っていました。

ある日、千歳は空腹で苦しんでいる中、陸軍が作り損なって廃棄したカレーライスを食べて、こんな美味いものがあるのかと驚き、一日三食が支給される軍隊の存在を知って「祖国を守る」などの志もなく、「飯を喰うため」に陸軍への入隊を志願します。


引用元:めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~

軍隊での訓練は厳しいものであった為、多くの同僚兵士が音を上げる中、千歳は軍隊では食べることに困らず、軍隊生活を満喫することになります。

しかし平穏な状況は続かず日本は諸外国との対立は明確になり、やがて日露戦争がはじまり、千歳も順次動員令が出たことで大陸へ出征することになります。

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ミリ飯の歴史が面白い「めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~」の感想

この漫画は明治時代の一人の若者が生きていくために兵士に志願するお話しですが、明治陸軍の食事事情にスポットを当てた、いわゆる「ミリ飯」漫画で、当時の貴重な資料をかなり調べて描かれた1900年代初期の食糧事情を垣間見ることのできる漫画です。

1900年代初期と言えば、日本が近代化を始めた頃で、ちょうど軍隊が近代化した時期でもあり、食事にも洋食が取り入れ始め、カレーライス等の日本にはなかった珍しいメニューが広まり始めた時期でもあります。

明治の文化や、当時の軍隊の台所事情も歴史文献から描かれており、日露戦争で大激戦であった南山戦の詳細な戦況なども解説され、戦場の悲惨さもしっかりと語られる本格的な歴史戦場マンガでもあります。


引用元:めしあげ!! ~明治陸軍糧食物語~

漫画の交証協力として「軍事法規研究会」が協力しているなど、かなり真面目に書籍化された作品で、歴史的資料価値がある近代化が始まった日本陸軍の内情と当時の食料事情を知ることのできる大変面白いマンガです。

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