こんにちはユレオです。
皆さん睡眠は十分にとられていますか?人は人生の1/3を寝て過ごすので、睡眠時間や睡眠の質は日々の生活に大きな影響が出ます。
一般的には睡眠時間の理想は1日7~8時間といわれていますが、実はこの時間に医学的根拠があるわけではありません。
この7~8時間という数字は、平均的な睡眠時間が6~9時間であるデータをもとに定められた数値です。
その為、人によれば7~8時間の睡眠を長いと感じる人や短いと感じる人もいるわけで、例えば5時間の睡眠であっても日中に眠気を感じることなく問題なく活動することが出来るのなら、理想的な睡眠時間だと言えます。
本日は睡眠時間や睡眠の質についてのお話と、人の睡眠対する思い込みについてお話したいと思います。
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◆記事の目次◆
1日に必要な睡眠時間は個人によって異なる
先ほど「睡眠時間の理想は1日7~8時間と言われていますが、これに医学的根拠があるわけではない」というお話をしました。
人によって睡眠時間は様々で、睡眠時間が短い「ショートスリーパー」の方もおられれば、睡眠時間が長い「ロングスリーパー」の方もおられます。
人によって適した睡眠時間は異なるため、一概に「○時間寝れば良い」と決まっているわけではないのです。
では、個人それぞれの理想とする睡眠時間がどれくらいなのかをどうやって知れば良いのでしょうか?
実は至極単純な事で、短時間の睡眠でも日中に眠気を感じることなく十分に活動することができていれば、理想的な睡眠時間を確保できていると言えます。
逆に日中に眠気を感じたて仕事への集中力が途切れるという事がある方は、「あなたにとって睡眠時間が不足している」と言えるわけです。
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睡眠時間も大切だが睡眠の質も大切である
では睡眠時間をしっかり確保すれば問題がないかというと、そんな単純な話ではありません。
睡眠は時間だけではなく質が高いかどうかという事も重要で、睡眠の質が低いと十分な睡眠時間を確保したとしても睡眠効果を得られません。
既に多くの方が自覚して認識している情報ですが、睡眠の質を高める方法として以下のようなものがあります。
- 寝る前のコーヒーやお酒の摂取(カフェインやアルコールの摂取による覚醒)
- 寝る前にTVモニターやスマホを眺める(視神経への刺激)
- 寝る前の喫煙(ニコチンの摂取による覚醒)
- 満腹状態での就寝(内臓に負荷がかかると眠りが浅くなる)
- 寝る直前の激しい運動(交感神経への刺激)
このようにカフェインなどの刺激物や、内臓に負荷をかける状態、視神経や交感神経を刺激するようなことを行うと、寝つきが悪くなったり睡眠の質が低下したりします。
しかし、現代人にとって寝る前にTVモニターやスマホから離れるというのはなかなか難しいものです。
睡眠の質を高めるには良い寝具や就寝時の姿勢も大切
イスラエル・ハイファ大学のMaayan Agmon氏の研究では不眠症になることで健康を損なう症状の一つに腰痛の発症リスクがあるという結果が出ており、睡眠時の姿勢や寝具の重要性を実験により証明した面白い研究結果があります。
不眠症の自覚症状の一つに腰痛があり、睡眠不足や睡眠の質の低下により腰痛を発症するケースがあるようです。
Maayan Agmon氏の研究結果の中で大変興味深いポイントは以下の点です。
- 睡眠の質が低い場合、腰痛を発症するリスクが1.4倍になる。
- 腰痛持ちの方が不眠症になることは無いが、不眠症の結果腰痛持ちになるということがある。
このように自分自身が不眠症と自覚する一つの要素に「腰痛」がきっかけになるようです。
不眠症は身体に異常が現れなければ気が付かないものですが、腰痛のような生活に支障がでる症状が現れると、「あれ?もしかして俺は寝不足なのかな?」といった感じで自覚するようになります。
そういった意味でも寝具や睡眠時の姿勢は重要で、しっかりとしたマットレスや就寝時の体制を見直すことは睡眠の質を高めるのに役立ちます。
自分が不眠症だと思い込むことで実際の不眠症よりも悪影響が出る
ここまで睡眠時間や睡眠の質というものをお話してきましたが、この記事を読んで今まで気にしていなかった睡眠に関することが気になった方もおられるかと思います。
俺は正しく睡眠がとれているのだろうか?もしかしたら睡眠不足なのでは?そういえば夜中良く目が覚めるし不眠症なのではないだろうか…ヤバイ!このままだとまずいぞ!
そんな不安を感じることがあるかもしれません。
しかし、こうした「睡眠不足や不眠症かもしれない」という考えそのものが良くないという研究結果が出ています。
ケネス・リヒシュタイン(アメリカ・アラバマ大学)が発表した論文の「不眠症アイデンティ」によると、睡眠不足であってもそのことに不満がなければ日常に害を及ぼさないという研究結果があります。
論文では1995年に400名以上のボランティアを調査して、過半数の方が専門的に見て睡眠不足や寝付けないという不眠症の症状が出ているのに、本人たちはそれらをストレスを感じず不眠症であると自覚していませんでした。
「睡眠に不満がないが寝不足の人」は、しっかり睡眠時間を確保している人と比較しても日常的な疲労や不安による心理的な悪影響はありませんでした。
この結果は脳波や生理学的指標で睡眠状態を測定する睡眠ポリグラフ検査や睡眠の記録からも裏付けられ、さらに追跡調査でも「睡眠に不満がないが寝不足の人」は一般の人と比べて不安やうつのレベル変わらないという結果が出ました。
このほか、睡眠不足は高血圧になりやすいという検証結果がありますが、「自分が不眠症であると考えていない人たち」は高血圧になりやすいという検証結果が当てはまりませんでした。
つまり、実際には睡眠不足であるのに「睡眠に不満を持っていない」「不眠症という自覚が無い」方は健康上の悪影響が出ていないという結果になったのです。
逆に「睡眠に問題はないが不眠症と思っている人」は日常的な「疲労」「不安」「うつ」といった症状を感じて、実際の不眠症患者と同じ症状を経験しています。
これは簡単に言えば「不眠症と思い込むだけで不眠症と似た症状が現れる」ということです。
睡眠ポリグラフ検査と睡眠の記録からも面白いデータが出ており、臨床的な不眠症の基準を明らかに満たしていないにも関わらず、自分が不眠症であると思い込んでいる人は身体に不眠症患者と同じ症状が現れる結果となりました。
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最後に
睡眠時間や睡眠の質を高めるという事は重要ですが、何より「自分が睡眠がしっかり取れている」と思うことが重要という研究結果が出ていることに驚きました。
確かに私も「あれ?不眠症かな?」と考えて睡眠の質を計測したり、夜中に起きる回数を数えたりして、やがて「疲労」「不安」「うつ」といった症状を感じて睡眠外来を受信したことがあります。
医者に不眠症気味であると伝えると睡眠薬を処方されたのですが、飲んでも全然効果が無くて、今思えば「不眠症と思い込んで不眠症と似た症状が現れていた」だけだったかもしれません。
今では睡眠に不満が無い為、「疲労」「不安」「うつ」といった症状を感じることはありませんが、まさに「病は気から」という言葉がぴったりとくる研究結果があることをもっと早く知りたかったです。
もし不眠症を悩んでいる方がおられましたら、一度客観的に「本当に不眠症なのか?思い込みでは?」と考えてみるのも手だと思います。
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