大人の年齢 世界基準は?
2022年4月1日から日本では「大人」の定義が変わったのはみなさんご存じでしょう。
民法の改正によって成人年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられました。
主に、参政権年齢を18歳からに定めることで、若い世代の社会参画を促す狙いがあります。
そして、世界の大半の国々の成人年齢が18歳であることなどを受け、日本もグローバルスタンダードに足並みをそろえた格好です。
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、35の加盟国のうち成人年齢を18歳と定める国は、イギリスやフランス、オーストラリアなど32か国。それ以外は韓国が19歳、日本とニュージーランドが20歳と少数派でした。
自覚ない日本の若者
一方、少し気がかりなデータもあります。
日本財団が実施し、NHKなどが報道した 日本、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インドの6か国の17歳から19歳までの世代への意識調査の結果です。それぞれの国の1000人を対象にインターネット上で行われました。
そこで、「自分は大人だと思う」と回答したのは以下の通りでした。
▼イギリス=86%
▼アメリカ=86%
▼インド=84%
▼中国=71%
▼韓国=47%
▼日本=27%
日本は6か国中突出して最下位でした。
また「自分の将来が楽しみだ」、「多少のリスクが伴っても新しいことにたくさん挑戦したい」といった質問でも日本の若者の数値は6か国中、最も低いと報じられています。
親の同意がなくても
成人年齢が18歳に引き下げられて、何が変わったのでしょうか。
身近なことで言えば、18歳と19歳はこれまで親権者の同意が必要だったスマートフォンの契約が、本人の意思のみで出来るようになりました。
1人暮らしをしたければ、親の同意がなくてもローンを組んだり、アパートの契約が可能に。また、株式や投資信託などの金融商品も親の同意がなくても18歳から買えるようになりました。
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興味深い デジタル年齢診断
成人年齢の引き下げで「大人」の仲間入りをした18歳と19歳は、デジタルが当たり前の時代に生まれてきたデジタルネイティブ世代。
実社会の経験は乏しくても、生まれた時からインターネット環境が整い、スマートホンが身近にありました。
いくつかの質問に答えるだけで、デジタル年齢診断ができる興味深いサイトでも示唆されているように、デジタルとの接し方では、実年齢が上の世代とは明らかに異なる行動様式があるようです。
つまり、若者の方が年配よりもデジタル上の経験が豊富で、成熟している可能性が見られます。
「デジタルでは若者の方が大人」という、実社会と逆転現象が起きているのは、面白いポイントです。
大人って意外と楽しいよ
日本の若者の「大人」である自覚の欠如や、将来への不安、無力感が浮き彫りになった調査結果が少し心配になりませんか。
さあここは、大人の先輩たちの出番でしょう。若者と語り、リードし、応援していきましょう。
年齢は単なる数字に過ぎないけれど、大人になるって意外と楽しいよ。
責任も増すけれど、挑戦できることや選択肢が増えるよ。
一緒に夢や希望を持っていろんなことに挑戦しようよ。デジタルでも、リアル社会のあらゆる場面でも。そう伝えていきたいですね。