仕事

ハロー効果とは何か?不当な評価を避けて正しく評価をされる具体的な方法

こんにちはユレオです。

世の中では多く方が仕事をして対価を得る、いわゆるサラリーマンの仕事に就いているかと思います。

そうしたサラリーマンの多くは会社組織から個人を評価され、その結果仕事に対しての対価である「給料の額面」が決まります。

ここで重要なのは、行った仕事に対して対価である給料の額面が直接決まるのではなく、仕事を行ったことを含めて個人を評価し、その評価結果が対価である給料の額面に反映されているという点です。

もし、単純に仕事量や仕事の難易度に対して給料の額面が決まるなら、忙しい時期とそうでない時期で額面が異なる「フリーランス的な働き方」になりますが、日本のサラリーマンはそうした不安定な状況が生まれない代わりに、忙しいときでも高額な給料を得られない仕組みになっています。

ではサラリーマンの給料の額面はどういった事で決まるかと言うと、会社組織によりそれぞれで異なるので一概には言えませんが、一般的には「人事による個人評価」というところに落ち着きます。

しかし、世の中の多くの組織がこうした「個人評価」を正しく行えていないのが現状です。

なぜ個人評価が正しく行えないのでしょうか?

本日は給料の額面を決めるうえで需要な個人の評価が正しく行えない理由と、不当な評価を避けて個人の評価を高める方法についてお話したいと思います。

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人が人を評価するのことは難しく、誤った評価がまかり通っている

サラリーマンは会社組織に属して仕事をするので、当然ながら「上司と部下の関係」「指示をする人、される人」「評価する人、される人」というような関係が生まれます。

そして、仕事の内容を加味しつつも総合的には「個人の評価」が給料の額面を決める大きな要素となっています。

ところで、そういった個人の評価は正しく行われるものなのでしょうか?

(´・ω・) 人を人が評価するというのは難しいよね…。

おそらくは多くの方が評価が正しくないのではと感じているのではないでしょうか。

人の評価というのは多くの場合は実際の業務の成果だけで判断されず、その人の見た目や学歴や組織での肩書などが影響し、心理的なバイアスにより実際の仕事の成果が正しく評価されません。

平たく言えば「仕事の成果と同じかそれ以上に、人は見た目や経歴で判断される」ということがまかり通っています。

例えば、同じ内容の仕事をこなしたAさんとBさんがいます。

Aさんは高身長でスタイルが良くて、さらには高学歴の大学出身で、いつも明るく受け答えもハキハキしています。

Bさんは身なりに気をする方ではなく、いつもしわのよったスーツを着て、最終学歴は高卒で内気で自分から積極的に話そうとしません。

この二人が同じ仕事を同じようにこなした場合の仕事に対する評価どうなるのでしょうか?

同じ結果になると思われますが、残念ながら多くのケースでAさんの仕事の評価は高く、そしてBさんの仕事の評価は低くなるということがまかり通っています。

どうしてこのような誤った判断が起きるのでしょうか?

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ハロー効果(halo effect)という言葉をご存知でしょうか?

こうした同じ成果を出したにも関わらず、個人により評価が異なるのは、人の持つ認知バイアスの1つ「ハロー効果(halo effect)」が影響しています。

ハロー効果とは社会心理学の現象で、人の持つ認知バイアスと呼ばれるもののひとつです。

これは人や物を評価したり判断する際に大きく影響するもので、何かを評価する際に評価対象の目立ちやすい特徴が強く印象付き、その他の評価についてもバイアスがかかり歪んでしまう現象の事を指します。

先程ご紹介したAさんとBさんの例にあるように、同じ仕事の成果を出したとしても、2人の身なりや言動、学歴といったものにより、評価が歪んでしまい、正しく仕事の成果を評価されるということは珍しくありません。

ハロー効果という名前の由来

このハロー効果という言葉は心理学者エドワードソーンダイクが1920年に書いた論文の中で始めて登場し、一般に知られるようになりました。

【エドワード・ソーンダイク】


エドワード・L・ソーンダイク(1874年~1949年)は、アメリカの心理学者・教育学者。コロンビア大学教授。連合主義の一形式である結合主義の研究に独自に取り組む。教育評価の分野では教育測定運動の父と言われる。試行錯誤説(ネコの問題箱の研究)が有名。1903年に「教育心理学」を刊行、これは後に3巻本の大著となる(1913-14)。教育評価の父としても知られる。

引用元:エドワード・ソーンダイク – Wikipedia

ハロー効果の「ハロー」とはイエスキリストや頭上や後ろに描かれる後輪のことを指し、仏教では「後光」とも呼ばれるものです。

ハロー効果はそうした聖人の背後に輝く光を見て、ただ立ち尽くすだけで奇跡を信じてしまうように、その目立つ光(特徴)の影響でその人の全体の評価を誤ってしまうという、人の持つ心理バイアスの傾向をよく示唆した表現と言えます。

ハロー効果にはプラスに働くものとマイナスに働く2種類が存在する

ここまでお話してきてお気づきかと思いますが、ハロー効果にはプラスに働くものとマイナスに働くものの2種類が存在します。

このプラスに働くハロー効果を「ポジティブ・ハロー効果」と呼び、マイナスに働く「ネガティブ・ハロー効果」と呼びます。

ポジティブ・ハロー効果とは

ひとつの優れた特徴を見て、他の能力も優れていると判断してしまうことを、ポジティブ・ハロー効果と言います。

わかりやすい例でいえば、同じような提案内容があったとしても、部長が述べる提案と、新人社員が言う提案では部長が述べた内容の方が良いものに感じます。

これは「役職」という肩書きでバイアスがかかり、部長の提案内容があたかも素晴らしいものに歪んで認識してしまうことにより生まれます。

ポジティブ・ハロー効果は多くの人が生じやすい一般的な認知バイアスで、人の目立っている良い点を見てしまい、他の点も実際より高く評価する傾向があります。

ネガティブ・ハロー効果とは

ポジティブ・ハロー効果とは逆で、ネガティブ・ハロー効果は本来評価すべき内容を正しく評価せず、評価対象の見た目や背景等を意識してしまい、不当に低く評価してしまうことを指します。

わかりやすいものでいうと「東大卒と高卒」「有名ブランドと無名ブランド」「日本製と中国製」といったものが上げられます。

先程ポジティブ・ハロー効果でお話しましたが、同じ提案でも部長と新入社員なら、部長の方が良い提案のように感じ、新入社員の提案の方が陳腐な提案のように思えるということがあります。

さらに言うと新人社員の方が部長よりも効果的で良い提案を出したにも関わらず、「新人社員が言うことだから大したものではない」と肩書きにより歪んだバイアスで見てしまった為、優れた提案内容が埋もれてしまうというようなことは珍しくありません。

こうしたネガティブ・ハロー効果を受けていると正当な評価が得られないだけではなく、任される仕事のレベルも低いものがあてがわれ、個人が本来持つ能力を発揮できる仕事が出来ないとう悪循環にも陥ります。

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ネガティブ・ハロー効果を避けて、ポジティブ・ハロー効果を得るための方法

ハロー効果にはポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果と2つが存在するとお話しましたが、どうせ認知バイアスにより評価が歪むなら良い方向へであるポジティブ・ハロー効果を得たいものです。

さて、ポジティブ・ハロー効果を得るにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?

これはハロー効果がどういう理由で生まれているかを理解できれば、それに沿った行動や特色を示すことでネガティブ・ハロー効果を避けて、ポジティブ・ハロー効果を得ることが出来ます。

とにもかくにもまずはネガティブ・ハロー効果で不当な評価を受けないことが重要です。

ハロー効果は「ひときわ目立つ特徴を見て、他も同様の評価と判断するという性質」があるので、ネガティブ・ハロー効果による不当な評価を避けるには「ひときわ目立つ欠点を見せない」を見せないように心がけることが重要です。

何も欠点をすべて潰す必要はありません。ひときわ目立つ欠点を見せないことを意識すればよいのです。

そして、次にポジティブ・ハロー効果を得るためにはひときわ目立つプラスになる特徴をしっかりと評価者にアピールして伝えることができれば、それに引きずられて他の評価も上がります。

そのためには評価者がどういったことを求めているのかを知ることも重要で、ピンポイントで自分の秀でた部分をアピールして、評価者に良い点を印象付けることが出来ればポジティブ・ハロー効果が得られる可能性が高まります。

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 評価する立場の人は、常にハロー効果により自身が下す評価が歪んでいると思う必要がある

自分が評価される対象ではなく、逆に評価する側だった時に、こうしたハロー効果により正しく判断できていないということを常に意識する必要があります。

そんなことは無い、俺は優秀だから部下を正しく評価している。

多くの方がこのように思うかもしれませんが、人である以上どうしても認知バイアスによる歪んだ評価を避けることが出来ません。

例えば、自分に対して「あいさつをする部下」と「あいさつをしない部下」の仕事の評価というのはどうしても偏ってみてしまうもので、仕事で同じ成果を出したとしてもあいさつをする部下の方が評価が高い判定をしてしまいます。

本来は仕事の成果を見て判断し評価する立場なのに「自分にあいさつをしない」という仕事と関係のない理由で評価を下げて、結果人事の評価として扱われ、部下の給料の額面に影響を与えることもありえます。

ハロー効果は人である以上どうしても生まれるものであると心得、評価をする内容を常にしっかりと見据えて認知バイアスによる歪みが無いかを意識する必要があります。

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 最後に

ここまで給料の額面を決めるうえで需要な個人の評価が正しく行えない理由と、不当な評価を避けて個人の評価を高める方法についてお話ししてきました。

ハロー効果はポジティブにしろネガティブにしろ生まれるもので、人である以上避けることはできません。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という故事ことわざをご存知でしょうか。

坊さんを憎いとネガティブ・ハロー効果により、その坊さんが着ている袈裟までが憎く思えてしまうというお話で、袈裟はただの袈裟でしかないのに誤った評価と感情を生みます。

ハロー効果は自分が誤った評価を受ける場合もあれば、自分が誤って評価を下すこともあります。

そうした不当な評価を受けたり誤った評価をしてしまうことを避けるためにも、人の評価というのは評価対象の目立ちやすい特徴に左右され、認知バイアスがかかり評価が歪んでしまうということを常に意識することが大切です。

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