こんにちはユレオです。
皆さんは子供の頃になりたかった職業を覚えていますか?
最近では子供のなりたい職業ランキングにYouTuberが登場して話題となりましたが、将来なりたい職業ランキングの常連となっている業界があります。
ソニー生命保険が発表した中学生の将来なりたい職業ランキングの結果がこちらです。
引用元:将来なりたい職業、男子中学生3位に「YouTuber」1位は? | リセマム
男子中学生が将来なりたい職業は1位が「ITエンジニア・プログラマー」で、2位が「ゲームクリエイター」で、ゲーム業界というのは人気のある職業であることが伺えます。
私は長年ゲーム業界に勤めていますが、私が学生の頃もゲーム業界というのは人気のある職業でした。
ゲーム業界といっても今は市場が多角化して様々な形式に分かれていますが、大きく分けると次の2つになります。
- PC、PS4、Switch等の家庭用ゲーム機のハイエンド向けのゲーム
- 3DS等の携帯ゲーム機やスマートフォン向けの高い技術を必要としないゲーム(一部のスマートフォン向けのゲームはハイエンド並みの技術を使っている物もあります。)
ゲームの制作に携わりたいと考えている方の多くが「PC、PS4、Switch等の家庭用ゲーム機のハイエンド向けのゲーム」の開発に興味があるのではないでしょうか?
今日はゲーム業界を目指している方や現在就職活動を始めようとされている方に向けて「PC、PS4、Switch等の家庭用ゲーム機のハイエンド向けのゲーム」の開発の現場がどういったものなのかを簡単にお話したいと思います。
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◆記事の目次◆
専門性が求められる家庭用ゲーム開発の現場
ハイエンド向けのゲームというのはどういったものがあるかというと、主にPCやPS4やSwitch等で発売されるタイトルの中で高い表現力を持つタイトルを指します。
簡単に例として挙げると以下のようなタイトルです。
ハイエンド向けのゲームでも大変技術力が高い「トリプルAタイトル」と呼ばれるゲームから、それほど高い技術を必要としないタイトルまで様々ありますが、スマートフォン向けのゲームの開発に比べてグラフィック表現等に高度な技術を求められるため、専門的な知識が必要でより分業化が進んでいます。
分業化に関してはハイエンド向けのゲーム開発だけでなく、スマートフォン向けのゲーム開発でもその波は来ており、各ゲームクリエイターに求められる技術が高度化し、個人の裁量でできる仕事というのは年々狭くなっています。
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始めは作業要員としての下済みが必要
ハイエンド向けゲームでは開発方針を決めたりする「プロデューサー・ディレクター」と開発のための技術やノウハウを持つブレインとなる「中心メンバーの開発スタッフ」がゲームの内容とゲームを作るための技術的な方針等を決定します。
プロジェクトの発足時はこういった少数のスタッフがゲームを作るための方針や技術を固め、開発のルールを設けます。
そういった方針がしっかりと決まったところで、スタッフを増やして本格的に開発を進めるのですが、その際に追加されるスタッフというのは「作業要員」で、ただひたすらプロジェクトの方針に従ったルールでゲームに登場する建物やキャラクターモデルやアニメーション、画面効果を作ったり、仕様通りに動いているのかを確認するというような作業を行います。
キャラクターを1体作るにしてもキャラクターの見た目である「モデル」を作る人と、キャラクターの動きである「アニメーション」作る人は別です。
場合によってはキャラクターの髪の毛だけを専属で作成する人もおり、キャラクター1体を丸々作るということは現在のハイエンド向けゲームの開発現場ではほぼありません。
キャラクターモデルや建物といったモデルを作る人はまだ良くて、中にはゲームで登場する箱や樽といった小物を作る人もいます。
私の知り合いにはゲームのどのシーンで使われるかわからない箱や樽をひたすら2年間作り続けた人や、ゲームのアクションのチェックだけを1年間続けたという人がいます。
ハイエンド向けのゲーム開発において下済みの期間というのは必要で、初めは作業要員としてプロジェクトのゲーム開発のルールに従い、仕様に合わせて作業するというのが主な仕事になります。
ただ、そこで才能が開花したり特別な技能を身につけない限り、何年たっても作業要員のままです。
ハイエンド向けのゲーム開発は開発期間が長くリスクがある
ハイエンド向けのゲーム開発は開発期間が長く、物によれば開発に3~4年というのもざらで、下手すると5~6年作っているというタイトルもあります。
そういった開発に携わるというのは、無事発売されるとよいのですが、開発終盤にプロジェクトがペンディング(事実上の廃止)になるということもあり、そうすると個人の実績として評価されないことなります。
大型プロジェクトのペンディングは珍しいことではなく、そこで働くクリエイター個人は年単位で無駄な時間を過ごすことになります。
ゲーム業界ではまれに、業界歴5年だけどタイトルを1本も出せていないという人がいたりします。
「業界歴5年だけどタイトルを1本も出せていない」というのはスマートフォン向けの開発をしている人ではなかなか経験することは無く、ハイエンド向けゲーム開発で起こる特徴ともいえます。
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ハイエンド向けゲーム開発に携われると実績として強い
ハイエンド向けのゲーム開発は開発期間が長くリスクはありますが、無事に開発が終わりタイトルを世に出すことが出来れば個人の実績として評価されやすいというメリットはあります。
タイトルへの貢献度がどれくらいかということもありますが、世間受けが良いのは確かです。
「スマホの〇〇のゲームを作った」というより「ファイナルファンタジーの開発をした」という方が世間受けがよく、転職などでも実績として目を引きます。
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ハイエンド向けゲーム開発は学ぶことが多い
ハイエンド向けのゲーム開発はゲーム業界の最新技術を使った開発が多いため、学ぶことが多く、プライベートを犠牲にして勉強するということが必要になります。
また、学ぶにも内容によりますが技術的な書籍が存在しないということもあり、誰かに教わるということが難しく、場合によっては英語の文献を翻訳して調べるということも必要です。
書籍が存在している分野ならまだましですが、そういったものが無い場合は本当にどこから手を付けていいかわからないということがあります。
ハイエンド向けのゲーム制作は勉強をしなくなると開発現場ではやっていくのが難しくなります。
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給料は変わらないというかむしろ安いこともある
こうしてみるとハイエンド向けのゲーム開発は高い技術力が必要になり、学ぶことも多く苦労するので給料がいいかというとそんなことはありません。
余程特殊な技能を持っているか、会社でのポジションが良くなければゲームクリエイターの給料はそれほど魅力的ではありません。
こちらがゲーム業界の平均年収のデータです。
引用元:ゲームクリエイターの年収給料や20~65歳の年齢別・役職別・都道府県別年収推移|平均年収.jp
最近ではハイエンド向けのゲーム開発より、スマートフォン向けのゲーム開発のほうが給料が良かったりします。
ハイエンド向けのゲーム開発者は高い技術を持っていても場合によっては給料が低いということがあり、単純に高給を求めてスマートフォン向けのゲーム開発に移るという人はたくさんいます。
ハイエンド向けのゲーム開発を楽しむ事が出来るポジションとは
ここまで話した通り、ハイエンド向けのゲーム開発は学ぶことが多く技術力が必要で下済み時代が長く、下手したら何年もタイトルに関わったのに発売されないということもあり、開発者としてはメリットがあるとは言えません。
また給料もスマートフォン向けのゲーム開発に比べて変わらなかったり、むしろ安かったりします。
こうして聞くとハイエンド向けゲーム開発は良いところが無く、ハイリスクローリターンのようですが、クリエイターとして現場作業員ではなくプロジェクトの発足時から中心メンバーとして参加できればかなり面白い仕事になります。
おそらく「中心メンバーとして参加してゲーム制作に携わる」というのが多くのゲームクリエイターを目指す人のイメージする仕事内容だと思うのですが、そういったポジションにつくというのは実力もさることながら、人づきあいや運という要素も絡んできます。
この立場になることが出来ればゲーム開発の面白さを肌で感じれるようになります。
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ゲーム業界は実力至上主義であり、専門学校卒でも活躍できる
ゲーム業界は大手や中小と様々な会社がありますが、どちらも言えることとして、学歴がそれほど重視されません。
最近では高学歴な方がゲーム業界に増えていますが、学歴よりも実績を重視する傾向があり、新入社員でなければ学歴よりも「どのようなタイトルでどんな仕事をしたか」ということを評価する傾向が強く、学歴至上主義ではなくて実力至上主義と言えます。
私はハイエンド向けのゲーム開発の現場で仕事をしてきましたが、学歴の偏見で人を見る方は少なく、上司が高卒や専門学校卒というのは普通におられました。
稀にゲーム専門学校卒業の方で、驚くほどの実力を持っている方がおられ、新入社員として入社後に頭角を現して、ハイエンドゲーム開発の現場でリードやチーフを任されている方がおられます。
そういった意味でゲーム専門学校はゲームクリエイターになることを目的とした場合、ある意味大学に通うよりも近道だと言えます。
最後に
ここまでゲーム業界を目指している方や現在就職活動を始めようとされている方へ向けて「PC、PS4、Switch等の家庭用ゲーム機のハイエンド向けのゲーム」の開発の現場がどんなものなのかを簡単にお話ししました。
- 専門性が求められ各個人の裁量でできる仕事というのは年々狭くなっている。
- ゲーム開発における下済みの期間が比較的長い。
- 開発期間が長く開発が中止になった時のリスクが大きいが、無事に発売されると実績として目を引きやすい。
- 常に勉強が必要で、勉強をしなくなると開発現場ではやっていくのが難しくなる。
- ハイエンド向けのゲーム開発は高い技術力が必要だが給料がいいというわけではない。
- タイトルの中心メンバーとしてゲーム制作に携われればこの上なく楽しい。
- ハイエンド向けゲーム開発は常に走り続けているアスリートと同じで、一度離れると復帰するのが難しい。
こうしてみると職業として魅力を感じないように思えるかもしれません。
ただ、ゲームクリエイターの仕事として他の職業にない大きなメリットは「クリエイティブ」な仕事で物を作る喜びがあり、出来上がった商品に名前が載るというところにあります。
世の中には物を作る多くの職業がありますが、作ったものに名前が残るという仕事は数少なく、仕事を完遂したときは他に例えれない喜びを感じることが出来ます。
そして実力至上主義であることで学歴が重視されないということは、チャンスも多く存在し、30代になれば東大卒とゲーム専門学校卒の方が同じ立場で肩を並べて仕事をしています。
このような理由から私の個人的な見解ですが、ゲーム業界は学歴に左右されず実力で勝ち取れる夢のある業界だと思います。
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