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高速バス料金が安すぎる!東京大阪間が1750円だと!?バス会社が採算が取れるのか調べてみた

こんにちはユレオです。

新型コロナウイルスの感染拡大が日本でも広がりつつある中、多くの方が不要不急の外出を控えた生活を送られていると思います。

ただ、そうした中で政府が主導する「GO TO キャンペーン」など経済を回すために人の移動を推奨する取り組みも行われています。

私は新型コロナウイルスの騒動以降は不要不急の外出を控えていますが、先日急遽東京大阪間を往復する所用が発生しました。

いつもなら新幹線を使って移動しますが、今回は深夜の高速バスを使うことにしたところ、東京大阪間の片道料金が4列シートだと1,750円からで、ゆったり座れる3列シートでも2,300円からという信じられない値段で驚きました。

えっ片道1,750円?なにこの価格破壊!?(;゚Д゚)

本日は2020年8月の東京大阪間の高速バスの現状についてと、個人的に気になる「深夜の高速バスは採算が取れているのか?」という事について調べてみました。

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本記事の内容

  • 東京大阪間の深夜高速バス代金の相場について。
  • バス会社の東京大阪間の運行にかかる経費は?
  • 東京大阪間の深夜高速バス代金の損益分岐点はいくら?

本記事では東京大阪間の深夜高速バス代金の最新事情や、バス会社が赤字を出さずに済む採算分岐ラインはいくらなのかを調べて記事にまとめています。

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東京大阪間の高速バス代が2300円だった

新型コロナウイルスの影響で不要不急の外出を控える方が増えた結果、交通機関を利用する方は減っています。

その関係で航空会社であるJALやANA、鉄道会社であるJRや各社私鉄の株価は2020年3月以降は大きく下げており、緊急事態宣言解除後は人の流れは回復しつつありますが、依然して株価は低迷しています。

そんな中、私は所用で東京大阪間の移動をすることになったのですが家族は含まず私一人の移動という事もあり、深夜の高速バスを利用することにしました。

早速高速バスの予約を入れるために格安の高速バスを各社比較して探せる「バスブックマーク」で予約を入れることにしました。

そこで見つけた東京発大阪行きのバス料金を見て愕然としました。

えっ…?なにこの値段?(;´・ω・)

最初は区間を間違えたかと思うくらいの値段で、最安値だと1,750円からとなっています。

1,750円で移動できる距離といえば、JR東日本だと東京小田原間(85km)で、JR西日本だと大阪米原間(125km)といえば想像つくのではないでしょうか。

そう考えると東京大阪間(500km)の移動が1,750円からというは破格の値段で、もやは価格崩壊と言える値段です。

とは言え、最安値は4列シートだったので、隣を気にせず座れる3列シートで探したところ、最安値は2,300円からでした。

たしか3列シートって7千円くらいじゃなかった?(;゚Д゚)

新型コロナウイルスの影響が出る前は確か3列並びフットレスト・レッグレスト付きシートの料金は5,000円~8,000円くらいでしたから、2,300円というのは異常に安いことが分かります。

そして本当はハイシーズンである夏休みは新型コロナウイルスの影響で利用客が減っているせいなのか、お盆でも驚くほど安い価格になっています。

深夜高速バスの旅は快適だった

あまりの値段の安さに慄きつつも、行きと帰りを予約して合計4,600円という価格でした。

これが新幹線だと指定席券で購入した場合、往復で3万円近くするので6分の1以下で東京大阪間を移動できることになります。

深夜バスの移動は慣れない人に疲れますが、私はバス移動は苦手ではなく、快適な旅となりました。

東京大阪間の深夜の高速バスの出発は、だいたい21時~23時くらいで、到着は6時~8時くらいで、寝ている間に着きます。

バス休憩はバスの運行会社によって異なりますが、大体2時間に1回はトイレ休憩があり、また3列独立シートであれば車内トイレも備わっているので安心です。

私が利用したバスは平日だったという事もあり、座席は満席ではなく8割埋まっている感じでした。

そんな中でふと疑問に感じたことがあります。

バス会社は採算が取れているのか?(;´・ω・)

普通に考えるとバス会社は会社組織ですから利益の為に活動をしているわけで、赤字なのに商売を行うはずはありません。

とはいえ、利用者人数と料金から区間や人件費を差し引いたら会社にどれくらい利益が出ているのか興味本位で調べてみることにしました。

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東京大阪間の移動の深夜高速バスの経費はいくら?

全てのバス会社の路線で調べるのは無理なので、私が利用したバスの路線で調べてみたいと思います。

  • 3列並びフットレスト・レッグレスト付きシートの大型バス(合計30シート)
  • 東京大阪間500kmの移動
  • 乗務員は2名

この大型バスを単純に東京大阪間を移動するためにかかる経費がいくらかかるのかを割り出してみたいと思います。

大型バスの東京大阪間の高速代は?

バス会社によって大きくルートは変わらないと思いますが、東京大阪間の大型バスの高速代いくらになるのか調べてみると深夜割引が適用されて約14,500円になります。

深夜割引の30%引きになる為、深夜高速バスは思った以上に高速代が安くなるようです。

大型バスの東京大阪間の燃料費は?

大型バスの燃費は普通自動車に比べて悪いはずで、調べてみたところ燃費値は4.5km/Lでした。

以下は日産自動車の路線バス・一般バスの燃費表になります。


引用元:https://www.mlit.go.jp/jidosha/nenpi/nenpilist/nenpilist0803-10.pdf

つまり、東京大阪間(500km)を走る為には 111ℓの燃料を必要とします。

ただ、大型バスの多くがディーゼルエンジンである為、燃料はガソリンではなく軽油になり、東京大阪間の燃料費は11,100円になります。

111ℓ ×100円(軽油1ℓ)=11,100円

大型バスの東京大阪間の人件費は?

最後に最も計算が難しそうな人件費についてです。

東京大阪間の移動は8~9時間の業務になり、また車庫から出発などを考えると1日分の勤務になります。

夜間の高速バス運転手の人件費を算出するためにバス会社の求人を調べてみました。


引用元:indeed(インディード)

夜行バスの求人を見るとかなりの高給で月収37万円です。

ただ、人件費はこれだけではなく、会社が社員を一人雇うためには社員の給料以外には社会保険料や事務所の費用といった様々な経費が掛かります。

ここからは計算が少し荒いですが、会社が社員を一人雇うのに安く見積もって1人月70万円ほどかかったとしましょう。

そうすると東京大阪間の移動にかかる人件費は46,600円になります。

70万円(1人月)÷ 30日(1ヶ月) × 2(名) ≒ 46,600円

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深夜バスの採算分岐ラインは一人3000円以上の料金

さて、大型バスが東京大阪間の移動にかかる経費を算出してみました。

  • 高速料金 = 14,500円
  • 燃料費 = 11,000円
  • 人件費 = 46,600円

これらを足すと合計72,100円になり、これが東京大阪間の移動に伴うバス会社の経費となります。

さて、そうなると私が利用した高速バス代金は東京大阪間が2,300円でした。

本当は予約サイト等の取り分があると考えられますが、ここもかなり雑な計算ですが客が支払う2,300円がそのままバス会社の売上になったとしましょう。

座席が8割埋まった場合、乗客は24名となります。つまり東京大阪間での売り上げは55,200円になります。

24名(乗客数) × 2,300円(一人の運賃) = 55,200円

えっ?採算割れしてるやん(;゚Д゚)

つまり、バス会社は現在東京大阪間のバスを1回走らせる度に16,900円の赤字を出していることになります。

55,200円(売上) - 72,100円(経費) = -16,900円(収益)

収益が赤字にならないようにするには一人の料金を3,000円以上にしなければなりません。

とはいえ、現状の新型コロナウイルスの影響では安くしないと客が集まらないという事もあり、バス会社としては泣く泣く赤字でも走らせているという状況のようです。

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最後に

ここまで2020年8月の東京大阪間の高速バスの現状についてと、個人的に気になる「深夜高速バスが採算が取れているのか?」を調べた内容をお話ししてきました。

会社組織としては利益が出ない商売は常識で考えると撤退するものですが、新型コロナウイルスの影響で一時的に人の移動が落ち込んでいるため、路線を撤退するという判断には至らず、赤字ながらも運行を続けているように思えます。

もしかしたら私の計算が的外れで、東京大阪間の高速バス代金が2,300円でも採算が取れているのかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響が出る前の3列並びフットレスト・レッグレスト付きシートの高速バスの料金は5,000円~8,000円でしたから、今はバス会社としては苦しい時期なのだと思います。

料金が安いことは利用者にとっては良いことなのですが、こうしたいびつな状況は経済をおかしくするので、早く新型コロナウイルスが収まり人の流れが戻って欲しいところです。

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